検証環境は、Core i7-4790KとIntel Z97 Expressチップセット搭載マザーボードの組み合わせだ。実施するベンチマークテストに関しては、CrystalDiskMarkとATTO Disk Benchmark、AS SSD Benchmarkだが、CrystalDiskMarkの最新バージョン「4.0.3」が登場したでこちらも測定した。
CrystalDiskMark 3.0.3では、シーケンシャルリードが最大483.618Mバイト/秒、同ライトが489.755Mバイト/秒となった。512Kのテストサイズで計測したとき、テストサイズが小さいとリード時のパフォーマンスが高く、テストサイズが大きい場合と比べて30Mバイト/秒程度の差が生じるのは、同じコントローラを搭載するSSDで共通する傾向だ。ただし、30Mバイト/秒程度低かったとはいえ、最低スコアでも377.158Mバイト/秒なので高速な部類だ。512K以外ではほとんどブレがない一定のパフォーマンスを示した。
CrystalDiskMarkのIOPSでは、4K=QD32時でリードが96833 IOPS、ライトが89729 IOPSとなった。公称値との差は5000 IOPS程度で。この程度であれば公称値通りといってよいだろう。
AMD Radeon R7で測定したベンチマークテスト結果と比べると全体的にパフォーマンスは“やや上”だ。512Kリードに関しては25Mバイト/秒ほど向上しており、4K=QD32リードも10Mバイト/秒ほど向上していた。一方、512Kライト、4K=QD32ライトは5Mバイト/秒程度下回ったが、ベンチマークテストで発生する誤差を考慮すればほとんど違いはないといえるだろう。
CrystalDiskMark 4.0.3では、内部にMicrosoft DiskSpdを採用したことで計測データはCrystalDiskMark 3から大きく異る結果となった。デフォルト設定でのテストでは、シーケンシャルのQD32、1スレッド条件でリードが555.3Mバイト/秒、同ライトが530.2Mバイト/秒となった。OCZが公開しているスペックと同等だ。CrystalDiskMarkのコアモジュールが変更したことで、現在の技術動向にあったスコアを引き出せるようになったといえる。
4K=QD32、1スレッド条件のスコアは、リードが391.6Mバイト/秒、ライトが365Mバイト/秒だった。ここはCrystalDiskMark 3.0.3のスコアとほぼ同じだ。IOPSに関しては、4K=QD32でリードが95698.2 IOPS、ライトが88972.7 IOPSとなり、これもCrystalDiskMark 3.0.3の結果とほぼ同じだ。
CrystalDiskMark 4.0.3では、キュー数とスレッド数を設定した計測も可能になった。Vector 180の場合、キュー数が4〜8以上でトップスピードとなるようだ。キュー数が1〜2では、リードが480Mバイト/秒台、ライトが510Mバイト/秒台に落ち込んだ。また、スレッド数に関しては、これを変更してもあまりパフォーマンスには影響しないようだった。
CrystalDiskMarkから見た基本的な本製品の姿は、同じコントローラチップを搭載するAMD Radeon R7 SSDと同じ特性で大きな違いはない。異なるのは、東芝A19ナノメートルプロセスルールNANDによる特性の違いと、PFM+による保護機能、そして、ハイエンド向けに設定したより長い保証期間(AMD Radenon R7 SSDは1年間、Vector 180は3年間)といったところに収まりそうだ。
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