開発コード名“Godavari”コアを採用した「A10-7870K」が久々のAPUラインアップ最上位モデルとして登場した。対応するソケットは従来同様「FM2+」となる。UEFIのアップデートが必要となることも考えられるが、基本的には現在流通しているFM2+対応マザーボードに装着すればシステムをアップグレードできる。今回の評価作業でも、A10-7870Kをそのまま装着して起動し、その後にBIOSをアップデートすることで問題なく動作した。
A10-7870KのCPU関連仕様をチェックしていくと、・クアッドコアであるところ、・プロセスルールが28ナノメートルであるところ、これらが従来のA10シリーズと同様だ。特に明記していないが、開発コード名“Kaveri”世代の28ナノメートルSHPと同じではないだろうか。CPU-Zで確認できる拡張命令セットやキャッシュレイアウトなども“Kaveri”世代と共通する。
コアクロックに関しては、定格が3.9GHz、Max Turboが4.1GHzという設定で、定格側はA10-7850Kに対して200MHzプラス、Turbo側も100MHz引き上げている。その上でTDPはA10-7850Kと同じ95ワットとしている。
グラフィックスコアの部分に関しては、「AMD Radeon R7」グラフィックスを統合している。ここもA10-7850Kと同様だ。内蔵するコア数は8GPU表記で実質512基となり、ここも変わらない。ただし、グラフィックスコアクロックは866MHzで、A10-7850Kの720MHzから146MHz引き上げている。
APUに統合したシステムメモリコントローラのサポートは、A10-7850Kと同じDDR3-2400(PC3-19200)までとなる。統合グラフィックスコアであるため、グラフィックスメモリはシステムメモリを共有する。システムメモリが高速であるほどグラフィックス性能を引き出すことができる。3D性能を重視する場合は、組み合わせるメモリのスピードにも注意して選択しよう。
パフォーマンスという点では、CPU、グラフィックスコアで動作クロックを引き上げていることが大きな変化になる。こうしたクロックアップがどの程度の性能向上をもたらすかが、A10-7870Kで注目したいポイントといえる。
機能面では「FreeSync」に対応した。“Kaveri”以降で統合するグラフィックスコアではFreeSyncをサポートしている。Mantle APIも利用可能だ。また、ディスプレイのサポートを超える解像度をグラフィックスコア内部でレンダリングし、ディスプレイの解像度までダウンサンプリングして出力することで高画質化する「VSR」も導入している。ただ、外付けGPUとはパフォーマンスが異なるため、VSRが実用的に利用できるのかどうかは難しいところだ。
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