ワコムは9月4日、「Bamboo」シリーズの新ラインアップを発表した。注目は新カテゴリの製品となる「Bamboo Spark」だ。タブレットカバーのような二つ折りのケースにA5サイズの紙(約50枚/5ミリ以下)を挟み、ここに専用のボールペンで書いた手書きのメモがそのままデジタルデータとして取り込めるというもの。
ラインアップは、スマートフォンや名刺などが入れられるガジェット用ポケットがついた「Bamboo Spark,with gadget pocket」、9.7型までのタブレットを入れられるスリーブがついた「Bamboo Spark,with tablet Sleeve」、iPad Air 2専用モデルの「Bamboo Spark,with snap-fit for iPad Air 2」の3モデルが用意される。ワコムオンラインストア価格はいずれも1万9224円(税込み)。10月発売予定だ。なお、iPad Air 2専用モデルはオンラインストアのみの取り扱いになる。
具体的には、本体側に内蔵された読み取りセンサー上の紙に、EMR技術を採用した付属の専用スマートボールペンで書き込むと、その座標が専用フォーマットで記録され、スマートフォン/タブレット用アプリを経由してjpg/pdf形式で取り込んだり、自動的にクラウド(ワコムが提供するInkspace)にデータを同期できる。また、本体側のメモリに約100ページ分のデータを保存でき、オフラインモードでも利用可能だ。メモ帳に書いた手書きメモをスマホのカメラで撮影し、データ化して共有する、という一連の作業をよりスマートに実現するデバイス、と考えるとイメージしやすい。
専用ペンは1024段階の筆圧検知に対応。本体はUSB給電で、2.5時間の充電で約8時間動作する。スマートフォン/タブレットとの接続はBluetooth 4.0を使用。メモパッドは専用のものが用意されるが、50枚(厚さ5ミリ以下)の任意のA5用紙が利用できる。なお、製品には専用ボールペンと2本の替え芯が付属し、3本セットの替え芯を量販店およびワコムオンラインストアで販売する(価格は調整中とのことだが、1000円前後になるようだ)。
製品内覧会で実際にBamboo Sparkを試用してみたが、ボールペンで紙に書くという行為の自然さを改めて感じた。タブレットに直接デジタイザで手書きメモを取れば同様のことは実現できるものの、デジタルデバイスに慣れていなかったり、紙も残しておきたいと考える人には便利なアイテムだ。
また、本体にメモリを内蔵しているので、普段はただのメモ帳として持ち歩き、データを取り出したいときだけスマホとペアリングするという使い方もできる。その一方、書いた際の座標データなどが記録されているため、アプリ上では手書きの順番を戻す/送るといったデジタルデータならではの利用法もある。
ワコムは、ふと思いついたアイデアの共有や検索性の高さを生かした仕事の効率化、旅行時のメモ、ラフスケッチといった活用シーンを提案している。
また、Bambooシリーズのラインアップとして、iPad用スタイラス「BamBoo Filine 2」、Galaxy Note 3/Galaxy Note Edge用スタイラス「Bamboo Smart」、安価なスタイラス「Bamboo Alpha」も投入する。ワコムオンラインストア価格は順に、8078円、5184円、1382円(税込み)。
このほか、コンシューマー向けに投入しているペンタブレット「Intuos」シリーズも刷新している。基本スペックや入力域のサイズ(small/medium)は旧モデルと同じだが、本体のデザインをよりポップに変更し、用途別にバンドルアプリケーションで差別化している。「購入してすぐに使える」がコンセプトだ。
ラインアップは、マンガ・イラスト制作向けにCLIP STUDIO PAINT PRO(2年ライセンス)をバンドルした「Intuos Comic」、ArtRage Liteをバンドルする「Intuos Draw」、Corel Painter Essentials 5をバンドルした「Intuos Art」、Corel PaintShop Pro X8ほか複数の写真編集ソフトをバンドルした「Intuos Photo」の4モデルで展開する。ワコムオンラインストア価格は1万3824円(税込み)。カラーバリエーションは、ホワイト/ミントブルー/ブラックの3色のうち、各モデルで2色が採用されている。
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