ココが「○」 |
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・画素密度が向上して描き心地アップ! |
・Cintiq Connectに対応 |
・これ1台でどこでもお絵かきできる |
ココが「×」 |
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・値段は高め |
・第5世代Coreの採用に期待 |
月刊アフタヌーンの漫画新人賞「アフタヌーン四季賞2012年・冬」で四季大賞を受賞。PC USERでIT系漫画「バイナリ畑でつかまえて」を連載しつつ、ペンタブレットの製品レビュー執筆者としてもしばしば出没する。Twitterは@kyuukanba。
地元の家電量販店で「Intuos 3」を購入して以来、ときにユーザーとして自腹で製品を買い、ときにライターとして評価機を借り、これまで筆者は色々なワコム製品に触れてきた。その中で一番驚かされたのが、今回レビューする「Cintiq Companion 2」だ。
同モデルは、Cintiqの液晶ペンタブレット技術を搭載したWindowsタブレットであり、2013年に発売された「Cintiq Companion」の後継機である。
新CPUの採用などもポイントだが、やはり注目したいのはWQHD(2560×1440ピクセル)という高精細液晶パネルの採用と、通常の液晶ペンタブレットと同じようにPCやMacにつなげられる「Cintiq Connect」機能の搭載だろう。画素密度が高まったことで描き心地が進化した液晶ペンタブレットを、さまざまな場所、さまざまなマシンで活用できるというゼイタクな製品だ。
筆者は初代Companionを持っていないが、同等の液晶ペンタブレット機能を備えている「Cintiq 13HD」を漫画やイラストの制作に使っている。同モデルとの使用感の比較なども交えながら、新製品をレビューしていく。
ワコムはCompanion 2の発表とともに、27型液晶を搭載した大画面モデル「Cintiq 27QHD」シリーズも発表している。27QHDはすでにレビューに書いたとおり、広い作業スペースにこだわる人、大きく絵を描きたい人にオススメの製品だ。
対するCompanion 2は、画面サイズは13.3型と圧倒的に小さくなる。一方で、画面の精細さは“断然”に高まる。それはもう、ため息が出るほど違うのだ。
13.3型で2560×1440ピクセルということは、画素ピッチ(画素1粒の大きさ)は約0.11475×0.11475ミリで、画素密度は約220ppiとなる。筆者愛用の13HDも画素ピッチ約0.15ミリ(約169ppi)となかなか高精細だが、画面にぐっと近づいて作業するとジャギーを感じることはあった。
しかし、より滑らかになったCompanion 2の画面には、「ほほ〜! こりゃキレイになったなぁ」と思わずうならされた。RetinaディスプレイのiPadとまではいかないが、下手なAndroidタブレットより高精細だ。例えば、初代Nexus 7が216ppiなので、同じくらいの精細さで13.3型の画面が広がっていると考えてもらえばいい。
こうした高画素密度化は、単に画面がキレイというだけでなく、“キャンバスをそれほど拡大せずとも絵が描ける”というメリットがあるように感じる。紙に描く漫画やイラストはだいたいA3やA4の原稿にチマチマと描くわけだが、そうした紙に近い感覚で液晶ペンタブレットが使えるのだ。一方、画素密度の低い大画面モデルで作業するとなると、大きく拡大しながら大きく描くスタイルになりがちだろう。
また、細かく描きやすい理由の1つとして、液晶面とガラス面との距離の短さもある。目視の印象では、13HDと比較するとわずかに液晶面とガラス面との距離が大きくなっているように見受けられるのだが、それでもCintiqの大画面モデルよりは視差を感じにくく、ペンのダイレクト感が高い。これらの要素が相まって、描き心地の向上につながっているというのが筆者の意見だ。
とはいえ、道具の使い心地というのは主観的な部分も大きい。前述のとおり「大きく描きたい」という人にとっては大画面モデルが便利だし、マルチディスプレイ環境ではなくCompanion 2単体で使うとなると、画面に狭苦しさを感じる人も多いはずだ。安い買い物ではないので、可能ならば家電量販店の展示機などで大画面モデルと使い比べ、どちらのスタイルが合っているのか確かめてみてほしい。
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