Apple Watchに続いて、まったく新しい12.9型タブレット「iPad Pro」を見ていこう。
iPad Proは、実はiPad mini 4の画面を2つ並べたサイズの12.9型ディスプレイを持ち、公式サイトの写真からイメージするよりもはるかに大きな製品になっている。
それでいて重さは初代iPadとほぼ同じ。手に持ってみると、本体が大きい分、初代iPad以上に軽い印象を覚える。その軽さと控えめな外観のおかげで、大きいからといって威圧感はなく、手の中のスクリーンへの没入感を楽しめる。
※記事初出時、画面サイズの説明に一部誤りがありました。おわびして訂正いたします(2015年9月13日19時/PC USER編集部)
画面の解像度も4Kでこそないが、13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルを上回る2732×2048ピクセルで解像感は圧倒的だ。
また、没入感といえば、iPadシリーズとしては初めて4つのスピーカーを使ったサウンドシステムが目を引く。音量はiPad Airと比べて大幅にアップしており、音の立体感もすごいが、本体を縦向きから横向きに回転させると、4つのスピーカーで再生する音が気が付かないくらいスムーズに入れ替わり、ステレオの左右チャンネルが画面の向きと同期する。これまでになかった画期的な機能に感じた。
新しいiOS 9の特徴の1つは複数のアプリを同時に利用するマルチタスク機能で、画面を左右分割して使う利用方法のイメージが強い。しかし、iOS 9には実際にはもう1つ、動画再生系のアプリのみで有効なピクチャーインピクチャーという複数アプリ実行モードがある。これを利用すればストリーミング放送の動画を楽しみながら、2つのアプリを同時に利用できる。
パソコンならもっとたくさんのアプリを同時に利用できるが、どちらのアプリケーションがどちらのアプリケーションより手前であるとか、背面にあるといったことを意識するのは初心者には難しい。iPad ProとiOS 9は、その前後関係を非常に直感的に、かつ分かりやすく形にしており、ユーザーを迷わせることがない。
iPad Proのもう1つの特徴といえば、カバーとしても使えるSmart Keyboardと、大きな画面いっぱいに滑らかに手書きできるApple Pencilという2つのオプションの発表だ。
大きな画面サイズで、ソフトウェアキーボードでも打ちやすいフルサイズのキーボードを表示できるiPad Proだが、長い文章を書くならやはりハードウェアキーボードがほしい。そうしたニーズに対してアップルは純正キーボードを用意。しかも折りたたんで本体と一緒に持ち歩けるのがうれしい。
クリエイティブワーカーに喜ばれそうなApple Pencilは極めて滑らかな描き心地と筆圧に応じて無段階で滑らかに変わるペンの太さを楽しめる。
iPad Proの発売は11月とやや先だ。カラーバリエーションはシルバー、ゴールド、スペースグレイの3色で、Wi-Fiモデルと、Wi-Fiと4G(LTE)通信機能がついたモデルの2タイプが用意されている。
なお、アップルは、これまでのiPadにはないまったく新しいiPad Proを発表する一方で、iPad miniのボディサイズにiPad Airの性能を詰め込んだ「iPad mini 4」も同時に発表。こちらはすでに販売が始まっている。
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