ココが「○」 |
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・全体的にパフォーマンス向上 |
・放熱面も従来より大きく改善 |
ココが「×」 |
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・高負荷時の騒音はPro 3より大きい |
日本マイクロソフトは2015年11月12日、Windows 10 Pro搭載12.3型タブレットPC「Surface Pro 4」の国内モデルを発売した。Core i5搭載モデルを入手したので、数回に分けてその実力を検証していく。先代モデル「Surface Pro 3」および下位モデル「Surface 3」との比較にも注目していただきたい。第1回は性能と発熱を中心に検証する。
Surface Pro 4は、スペックの異なる6つのモデルを用意。今回入手したのは上位から3番目のモデルで、Core i5、8GBメモリ、256GB SSDを搭載する。Microsoft Storeでの直販価格は19万4184円(税込/以下同)だ。Surface Proシリーズを使いこなすうえで欠かせない画面保護カバー兼キーボードとなる純正アクセサリ「Type Cover」(1万7712円)を足すと、合計21万1896円となる。
比較対象のSurface Pro 3、Surface 3と合わせて、主なスペックは表にまとめた。基本スペックで目立つのはプロセッサの進化だ。Surface Pro 3が第4世代Core(開発コード名:Haswell)を採用しているのに対して、Surface Pro 4では最新の第6世代Core(同:Skylake)を採用しており、一気に2世代ぶん進化した。
公式には具体的なプロセッサー・ナンバーまでは公開されていないが、評価機で確認すると2コア/4スレッド対応のCore i5-6300U(2.4GHz/最大3.0GHz、3Mバイト3次キャッシュ)だった。
Surface Pro 4のモデル展開 | ||||||
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CPU | プロセッサー・ナンバー※ | TDP(熱設計電力) | 内蔵GPU | メモリ | ストレージ | Microsoft Store価格(税込) |
Core i7 | Core i7-6650U(2.2GHz/最大3.4GHz、4MBキャッシュ) | 15ワット | Intel Iris Graphics 540 | 16GB | 512GB SSD | 31万2984円 |
Core i7 | Core i7-6650U(2.2GHz/最大3.4GHz、4MBキャッシュ) | 15ワット | Intel Iris Graphics 540 | 16GB | 256GB SSD | 25万8984円 |
Core i7 | Core i7-6650U(2.2GHz/最大3.4GHz、4MBキャッシュ) | 15ワット | Intel Iris Graphics 540 | 8GB | 256GB SSD | 23万1984円 |
Core i5 | Core i5-6300U(2.4GHz/最大3.0GHz、3MBキャッシュ) | 15ワット | Intel HD Graphics 520 | 8GB | 256GB SSD | 19万4184円 |
Core i5 | Core i5-6300U(2.4GHz/最大3.0GHz、3MBキャッシュ) | 15ワット | Intel HD Graphics 520 | 4GB | 128GB SSD | 15万984円 |
Core m3 | Core m3-6Y30(900MHz/最大2.2GHz、4MBキャッシュ) | 4.5ワット | Intel HD Graphics 520 | 4GB | 128GB SSD | 13万4784円 |
※プロセッサー・ナンバーは編集部調べ(メーカー非公開) |
今回テストしたSurface Pro 4、Surface Pro 3、Surface 3の基本スペック | |||
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製品名 | Surface Pro 4 | Surface Pro 3 | Surface 3(4G LTE) |
CPU | Core i5-6300U | Core i5-4300U | Atom x7-Z8700 |
CPUコア/同時処理スレッド | 2コア/4スレッド | 2コア/4スレッド | 4コア/4スレッド |
標準クロック | 2.4GHz | 1.9GHz | 1.6GHz |
最大クロック | 3.0GHz | 2.9GHz | 2.4GHz |
キャッシュ | 4MB | 3MB | 2MB |
GPU内蔵GPU | Intel HD Graphics 520 | Intel HD Graphics 4400 | Intel HD Graphics |
GPUコア実行エンジン(EU) | 24基 | 20基 | 16基 |
GPUクロック | 300〜1700MHz | 200〜1100MHz | 200〜600MHz |
CPU(SoC)のTDP | 15ワット | 15ワット | −(SDP 2ワット) |
メインメモリ | 8GB | 8GB | 4GB |
液晶ディスプレイ(アスペクト比) | 12.3型IPS(3:2) | 12型IPS(3:2) | 10.8型IPS(3:2) |
解像度(画素密度) | 2736×1824ピクセル(約267ppi) | 2160×1440ピクセル(約216ppi) | 1920×1080ピクセル(約214ppi) |
データストレージ | 256GB SSD | 256GB SSD | 128GB eMMC |
データストレージ型番 | Samsung NVMe MZFLV256 | Samsung MZMTE256HMHP | Samsung MDGAGC |
ストレージインタフェース | PCI Express 3.0 x2(NVMe) | mSATA(Serial ATA 6Gbps) | eMMC |
OS | 64ビット版Windows 10 Pro | 64ビット版Windows 10 Pro | 64ビット版Windows 8.1 Update |
テスト時のWindows電源プラン | バランス | バランス | バランス |
本体サイズ(幅×高さ×奥行き) | 約292.1×201.4×8.4ミリ | 約292×201.3×9.1ミリ | 約267×187×8.7ミリ |
重量 | 約786グラム | 約800グラム | 約641グラム |
発売時期 | 2015年11月12日 | 2014年7月17日 | 2015年6月19日 |
Microsoft Store価格(税込)※ | 19万4184円 | 17万5824円 | 9万9144円 |
※価格は2015年12月5日現在 |
まずはCPU単独の性能を見よう。Surface Pro 4の第6世代CoreはSurface Pro 3の第4世代Coreに比べて内部構造を改良し、クロックあたりの性能向上を図っている。プロセスルールが22ナノメートルから14ナノメートルへと微細化したこともあり、特に高負荷時の電力効率が有利となった。ちなみに、Surface 3が搭載するAtom x7-Z8700は、CPUコアの内部構造が根本的に異なり、省電力をより強く優先した設計だ。
CPU性能の調査には、CINEBENCH R15のレンダリングテストを利用した。「CPU」テストはマルチスレッド性能、「CPU(シングルコア)」テストはシングルスレッド性能の目安になる。
テスト結果をSurface Pro 3と比較すると、CPU(シングルコア)は微増程度だが、CPUは約18%と大きく向上しており、写真編集や動画編集などCPUパワーを要求するような使い方での快適度は上がったと言える。また、Surface 3と比べると、CPU(シングルコア)は約3倍、CPUスコアは約2.1倍だ。Core i5とAtom x7の間には決定的な差があることがあらためて分かる。
CINEBENCH R15には、Open GLに対応したGPUレンダリングテストもある。こちらは約42%もSurface Pro 4のほうがよいスコアだった。
CINEBENCH R15のスコア比較 | |||
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製品名 | Surface Pro 4 | Surface Pro 3 | Surface 3 |
CPU | Core i5-6300U(2.4GHz/最大3.0GHz) | Core i5-4300U(1.9GHz/最大2.9GHz) | Atom x7-Z8700(1.6GHz/最大2.4GHz) |
Open GL(fps) | 40.08 | 28.3 | 15.05 |
リファレンスマッチ | 97.80% | 98.00% | 98.00% |
CPU(cb) | 305 | 259 | 143 |
CPU(シングルコア、cb) | 115 | 111 | 38 |
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