性能と密接な関わりがある冷却ファンの動作音とボディの発熱もチェックした。今回テストしたSurface Pro 4のCore i5搭載モデルは、背面から見て左上辺りにファンを内蔵し、CPU(および内蔵GPU)の負荷に応じてファンの回転数が変化する。
Surface Pro 4の内蔵ファンは、アイドル時や低負荷時にほぼ無音で、負荷をかけても短時間ならかなり静粛だ。FF14ベンチなどで高負荷をかけ続けるとそれなりに大きな回転音が鳴るが、Type Coverのすぐ手前からの計測でも40.5デシベルとそれほど耳障りでもなかった(室温22度、暗騒音30デシベル)。
一方、3D描画性能が向上しているためか、最大の動作音はSurface Pro 3より少し大きかった(短時間の負荷ならばSurface Pro 3より静か)。
動作時における騒音レベルの測定結果(単位:dBA) | |||
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製品名 | Surface Pro 4 | Surface Pro 3 | Surface 3 |
アイドル | 30 | 30 | −(ファンレス) |
低負荷/Web YouTube再生 | 30 | 30 | − |
3DMark/SkyDiver(3回) | 40.5 | 35.1 | − |
CINEBENCH R15/CPU(2回) | 30.8 | 33.3 | − |
暗騒音30デシベル、室温21度。Type Coverの手前1センチから騒音計で測定。Surface 3はファンレス設計なので動作中の騒音なし |
ボディの発熱は、3DMark/SkyDiverを約15分連続して動作させた直後の温度を放射温度計で測定した。測定の都合上、キックスタンドは閉じて別の簡易スタンドに立てた状態で実行しており、裏面下半分についてはキックスタンドの外側から測定している。
Surface Pro 4の発熱は排気口がある上部が中心で、最も高いのはアウトカメラ付近だが、上部全体に熱が広く拡散されている印象だ。Surface Pro 3では(画面に向かって)ボディ右半分に熱が偏っている。最大温度はSurface Pro 4のほうが少し低かった。
動作時におけるボディ表面温度の測定結果(単位:℃) | |||
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製品名 | Surface Pro 4 | Surface Pro 3 | Surface 3 |
正面の最大温度 | 36.5 | 39.5 | 31.5 |
背面の最大温度 | 37 | 37 | 33 |
室温22度。3DMark/SkyDiverを15分間連続で実行し、ボディ表面を放射温度計で測定 |
Surface Proシリーズのような薄型軽量ボディに高性能(つまり発熱量が多い)のプロセッサを搭載したモバイルデバイスでは、CPU/GPUの性能を最大限に引き出してそれを高負荷状態で維持し続けられるか、という点も重要だ。
例えば、高負荷の状態が連続し、CPUの温度が上昇すると、Turbo Boost機能(高負荷時に安全な範囲でCPUクロックを上昇させる)によるクロック上昇が控えめになり、性能が低下する。さらに温度が上昇する場合は、クロックを下げたり、CPUを断続的に休ませるサーマルスロットリングなどの現象が発生してパフォーマンスが安定しなくなってしまうのだ。
Surface Pro 3では発売当初にCore i5/i7モデルでこうした発熱による性能低下が指摘されていたが、Surface Pro 4で同様の現象が発生していないかをチェックしてみた。
まず、3DMark/SkyDiverを15分間連続動作させ、GPU-Zでその間のGPU最大温度(CPU内蔵GPUのため、CPU温度も同じ)を記録したところ、Surface Pro 3の82度、Surface 3の71度に対し、Surface Pro 4は60度と低かった(室温22度)。
そして、15分連続動作直後に2回再実行してスコアを確認してみたところ、Surface Pro 3ではそのうちの1回にはっきりとしたスコアの低下がみられたが、Surface Pro 4とSurface 3は2回とも完全にクールな状態よりわずかに低い程度のスコアだった。スコアが少し上下するのはTurbo Boostのちょっとした効き具合の差と思われ、気にすることはないだろう。
Surface Pro 4はSurface Pro 3よりもファンの動作音は少し大きかったが、そのぶん放熱性能は高く、性能が向上しても、きっちりと放熱できているようだ。温度の余裕からすれば、もっと室温が高い環境でもパフォーマンスが落ちることはないと思われる。
少なくとも今回テストしたCore i5搭載モデルでは、放熱面の問題は見当たらなかった(ただし、内蔵GPUに上位クラスのIntel HD Graphics 520を採用したCore i7モデルは、Core i5モデルより放熱面で少し不利になる)。
3DMark 1.5.915/SkyDiver連続実行でのスコア変化とCPU温度 | |||
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製品名 | Surface Pro 4 | Surface Pro 3 | Surface 3 |
SkyDiver(初回実行時) | 3676 | 2732 | 1238 |
Sky Diver(16分連続テスト後の再実行時) | 3586 | 2337 | 1215 |
Sky Diver(16分連続テスト後の再々実行時) | 3618 | 2661 | 1225 |
初回実行〜15分間の最大GPU温度 | 60℃ | 82℃ | 71℃ |
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