日本HPが12月10日に発表したビジネス向けの2in1タブレット「HP Elite x2 1012 G1」は、キックスタンドや取り外し可能なキーボードカバー、ワコム製のペンなどを備える意欲的なモデルだ。
発表に合わせて、アジア太平洋地域と日本におけるPC事業の責任者である米HPのアネリーズ・オルソン氏が来日した。今回はHP Elite x2 1012 G1のコンセプトやビジネスにおける米HP(日本HPを含む)の取り組みについて話を聞いた。
―― 今回発表された「Elite x2 1012 G1」は、本体の背面にキックスタンドを備えていたり、取り外し可能なキーボードカバーがオプションとして用意されていたりしますが、……ずばり「Surface」を意識されましたね?
オルソン もちろんです。アジアにおいても2in1というセグメントが成長しており、Surfaceのようなコンシューマー向けデバイスに(ビジネスで利用できる)Windows 10 “Pro”をインストールしたものが多く存在します。Elite x2 1012 G1は、現在市場に出回っているデバイスでは唯一ビジネス向けの2in1です。私どもの戦略は、これまで培ってきたハードウェアの強みをベースとするものなのです。
―― 差別化ポイントは?
オルソン 本機はコンシューマー機との大きな違いが3点あります。1つがセキュリティ機能です。BIOSの保護機能「HP Sure Start」をはじめとする、ビジネス用ノートPCに搭載しているセキュリティ機能と全く同等のものを備えています。
他社製品がキーボードに搭載した指紋認証リーダーも、Elite x2 1012 G1はタブレット本体に搭載していますよ。
2つ目が、米軍調達基準(MIL STD 810 G)の耐久性能試験をクリアしている点です。ハイエンドのビジネス向けPCと同じ品質をクリアしているので、フォークリフトや飛行機の上など、激しい振動が発生する場所でも安心して利用できます。
米国の国防総省が他国へ軍を展開するときに持って行ったり――ユーザーは私どもが想像していなかったような使い方をします。通常のタブレットでは、過酷な環境ですぐに割れてしまいますが、Elite x2 1012 G1なら心配はありません。
3つ目は、メンテナンス性の高さです。Elite x2 1012 G1の背面パネルは計8本のネジで吸い付くように固定されています。カバーを取り外すことによって、バッテリーやグラフィックスカードといったパーツを交換することができます。不具合が発生したら、企業のITマネジメント部門がその場で修理できるのです。HPが認定したサービスパートナーなら短時間で修理することができます。
他社製品の場合は、いずれかのパーツが故障したら、本体を交換する必要があるので、新しいものが届くまで待たなくてはいけません。
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