まずはCINEBENCH R15でCPU性能を確認しよう。CPUスコアがマルチスレッド性能、CPU(シングルコア)はシングルスレッド性能の目安になる。
結果は、過去にテストしたデュアルコアCPUとして最高のCPUスコアをマークした。Surface Pro 4比で10.6%、Surface Book比で12.6%、VAIO S11比では20.2%も高い。CPU(シングルコア)も、Surface Pro 4比とSurface Book比で15.3%、VAIO S11比で22.8%アップというスコアが出ており、TDP 28ワットCore i7のパワフルさを感じる結果だ。
ちなみに、1年前に測定したVAIO Z 2015年モデル(Core i7-5557U)の結果は、CPUスコアが346、CPU(シングルコア)が135だった。これでもSurface Pro 4より上のスコアで、今でも色あせていないが、CPUの世代交代で順当にパワーアップしている。
CINEBENCH R15のスコア比較 | ||||
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モデル | VAIO Zクラムシェルモデル | VAIO S11(LTE) | Surface Pro 4(Core i7) | Surface Book(Core i7) |
CPU | Core i7-6567U | Core i7-6500U | Core i7-6650U | Core i7-6600U |
CPU(cb) | 375 | 312 | 339 | 333 |
CPU(シングルコア、cb) | 151 | 123 | 131 | 131 |
ストレージ性能はCrystalDiskMarkで計測した。スコアは最上段のシーケンシャルリード/ライト(Q32)が大きなデータのコピーやインストール/アンインストールの性能、最下段の4Kのリード/ライトがアプリケーションの起動やWebブラウズなど軽い処理のレスポンスの目安になる。
結果を見ると、PCIe x4接続SSDであるSM951のNVMeモデルを搭載した新VAIO Zは、全ての項目で最速のスコアをたたき出した。VAIO S11が搭載するSM951(AHCI)も高速なだけにシーケンシャルリード/ライトではあまり差がないが、4Kリードで20.5%、4ライトで48.6%と非常に高速だ。シーケンシャルリードのスコアは2200MB/秒で、PCIe 2.0 x4の理論上限を上回る。
Surface Pro 4とSurface Bookが搭載するPM951(NVMe)は、シーケンシャルリードが公称値以上に高速だが、Surface Pro 4のシーケンシャルライトが振るわない(Surface Bookの1/2程度)。4Kランダムリード/ライトも含めれば、これでも十分高速なSSDなのだが、新VAIO Zの前にはかすんでしまう。
ちなみにVAIO Zの先代モデルは、VAIO S11と同じSM951(AHCI)を、速度が半分のインタフェース(PCIe 2.0 x4)で接続している。レビュー当時は、CrystalDiskMarkベンチマークテストのバージョンが3.0.3だった。その後テストエンジンの変更を含めてプログラムの内容が大きく変わったため、スコアの単純比較はできないが、シーケンシャル性能、ランダム性能ともに大きく改善されているのは明らかだ。
CrystalDiskMark 5.1.1(5回/1GB)のSSDスコア比較 単位:MB/秒 | ||||
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モデル | VAIO Zクラムシェルモデル | VAIO S11(LTE) | Surface Pro 4(Core i7) | Surface Book(Core i7) |
SSD型番 | NVMe SAMSUNG MZVPV512 | SAMSUNG MZHPV512HDGL | NVMe SAMSUNG MZFLV256 | NVMe SAMSUNG MZFLV512 |
Sequantial Read(Q32 T1) | 2200 | 2182 | 1507 | 1590 |
Sequantial Write(Q32 T1) | 1577 | 1577 | 309.9 | 606.2 |
4K Read(Q32 T1) | 667.4 | 270.1 | 406 | 557 |
4K Write(Q32 T1) | 423 | 227.4 | 258.7 | 489.4 |
Sequantial Read | 1703 | 1617 | 818.6 | 825.8 |
Sequantial Write | 1571 | 1571 | 308.9 | 606.4 |
4K Read | 54.34 | 45.13 | 40.47 | 43.7 |
4K Write | 177.7 | 119.6 | 105.2 | 159.8 |
CrystalDiskMarkでは、SDメモリーカードスロットの性能も計測した。使用したメディアは、UHS-IIに対応したSanDisk Extreme PRO(SDSDXPB-064G)だ。
VAIO ZのSDメモリーカードスロットは、UHS-Iに対応するが、残念ながらUHS-IIに対応していない。スコアもUHS-II対応スロット搭載のVAIO S11およびSurface Bookに比べて低速だった。UHS-II対応メディアはまだ高価で一般的とは言えないが、VAIO Zがフラッグシップモデルであることを考えると、少し残念なところだ。
CrystalDiskMark 5.1.1(5回/1GB)のSSDスコア比較 単位:MB/秒 | |||
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モデル | VAIO Zクラムシェルモデル | VAIO S11(LTE) | Surface Book(Core i7) |
SDメモリーカードスロット仕様 | UHS-I | UHS-II | UHS-II |
Sequantial Read(Q32 T1) | 40.16 | 249.8 | 198.8 |
Sequantial Write(Q32 T1) | 36.85 | 213 | 187.3 |
4K Read(Q32 T1) | 6.75 | 7.048 | 4.014 |
4K Write(Q32 T1) | 1.22 | 1.485 | 1.779 |
Sequantial Read | 44.25 | 266.8 | 219.1 |
Sequantial Write | 41.94 | 219.2 | 192.5 |
4K Read | 6.123 | 6.603 | 3.813 |
4K Write | 0.945 | 1.231 | 1.737 |
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