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「VAIO Z」クラムシェルモデル徹底検証――Surface Book/Pro 4と比べた性能は?最上位モバイルPC対決(4/8 ページ)

» 2016年02月26日 06時00分 公開
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TDP 28ワットのパワフルなCPU性能を発揮

 まずはCINEBENCH R15でCPU性能を確認しよう。CPUスコアがマルチスレッド性能、CPU(シングルコア)はシングルスレッド性能の目安になる。

 結果は、過去にテストしたデュアルコアCPUとして最高のCPUスコアをマークした。Surface Pro 4比で10.6%、Surface Book比で12.6%、VAIO S11比では20.2%も高い。CPU(シングルコア)も、Surface Pro 4比とSurface Book比で15.3%、VAIO S11比で22.8%アップというスコアが出ており、TDP 28ワットCore i7のパワフルさを感じる結果だ。

 ちなみに、1年前に測定したVAIO Z 2015年モデル(Core i7-5557U)の結果は、CPUスコアが346、CPU(シングルコア)が135だった。これでもSurface Pro 4より上のスコアで、今でも色あせていないが、CPUの世代交代で順当にパワーアップしている。

CINEBENCH R15 CINEBENCH R15のスコア
CINEBENCH R15のスコア比較
モデル VAIO Zクラムシェルモデル VAIO S11(LTE) Surface Pro 4(Core i7) Surface Book(Core i7)
CPU Core i7-6567U Core i7-6500U Core i7-6650U Core i7-6600U
CPU(cb) 375 312 339 333
CPU(シングルコア、cb) 151 123 131 131

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NVMe対応PCIe SSDは期待通りの速さ

 ストレージ性能はCrystalDiskMarkで計測した。スコアは最上段のシーケンシャルリード/ライト(Q32)が大きなデータのコピーやインストール/アンインストールの性能、最下段の4Kのリード/ライトがアプリケーションの起動やWebブラウズなど軽い処理のレスポンスの目安になる。

 結果を見ると、PCIe x4接続SSDであるSM951のNVMeモデルを搭載した新VAIO Zは、全ての項目で最速のスコアをたたき出した。VAIO S11が搭載するSM951(AHCI)も高速なだけにシーケンシャルリード/ライトではあまり差がないが、4Kリードで20.5%、4ライトで48.6%と非常に高速だ。シーケンシャルリードのスコアは2200MB/秒で、PCIe 2.0 x4の理論上限を上回る。

 Surface Pro 4とSurface Bookが搭載するPM951(NVMe)は、シーケンシャルリードが公称値以上に高速だが、Surface Pro 4のシーケンシャルライトが振るわない(Surface Bookの1/2程度)。4Kランダムリード/ライトも含めれば、これでも十分高速なSSDなのだが、新VAIO Zの前にはかすんでしまう。

 ちなみにVAIO Zの先代モデルは、VAIO S11と同じSM951(AHCI)を、速度が半分のインタフェース(PCIe 2.0 x4)で接続している。レビュー当時は、CrystalDiskMarkベンチマークテストのバージョンが3.0.3だった。その後テストエンジンの変更を含めてプログラムの内容が大きく変わったため、スコアの単純比較はできないが、シーケンシャル性能、ランダム性能ともに大きく改善されているのは明らかだ。

CrystalDiskMark 5.1.1(SSD) CrystalDiskMark 5.1.1(5回/1GB)のSSDスコア
CrystalDiskMark 5.1.1(5回/1GB)のSSDスコア比較 単位:MB/秒
モデル VAIO Zクラムシェルモデル VAIO S11(LTE) Surface Pro 4(Core i7) Surface Book(Core i7)
SSD型番 NVMe SAMSUNG MZVPV512 SAMSUNG MZHPV512HDGL NVMe SAMSUNG MZFLV256 NVMe SAMSUNG MZFLV512
Sequantial Read(Q32 T1) 2200 2182 1507 1590
Sequantial Write(Q32 T1) 1577 1577 309.9 606.2
4K Read(Q32 T1) 667.4 270.1 406 557
4K Write(Q32 T1) 423 227.4 258.7 489.4
Sequantial Read 1703 1617 818.6 825.8
Sequantial Write 1571 1571 308.9 606.4
4K Read 54.34 45.13 40.47 43.7
4K Write 177.7 119.6 105.2 159.8

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SDメモリーカードスロットの性能は少し残念な結果に

 CrystalDiskMarkでは、SDメモリーカードスロットの性能も計測した。使用したメディアは、UHS-IIに対応したSanDisk Extreme PRO(SDSDXPB-064G)だ。

 VAIO ZのSDメモリーカードスロットは、UHS-Iに対応するが、残念ながらUHS-IIに対応していない。スコアもUHS-II対応スロット搭載のVAIO S11およびSurface Bookに比べて低速だった。UHS-II対応メディアはまだ高価で一般的とは言えないが、VAIO Zがフラッグシップモデルであることを考えると、少し残念なところだ。

CrystalDiskMark 5.1.1(SDカード) CrystalDiskMark 5.1.1(3回/1GB)のSDメモリーカードスコア。SDメモリーカードはSanDisk Extreme PRO(SDSDXPB-064G)を使用
CrystalDiskMark 5.1.1(5回/1GB)のSSDスコア比較 単位:MB/秒
モデル VAIO Zクラムシェルモデル VAIO S11(LTE) Surface Book(Core i7)
SDメモリーカードスロット仕様 UHS-I UHS-II UHS-II
Sequantial Read(Q32 T1) 40.16 249.8 198.8
Sequantial Write(Q32 T1) 36.85 213 187.3
4K Read(Q32 T1) 6.75 7.048 4.014
4K Write(Q32 T1) 1.22 1.485 1.779
Sequantial Read 44.25 266.8 219.1
Sequantial Write 41.94 219.2 192.5
4K Read 6.123 6.603 3.813
4K Write 0.945 1.231 1.737

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