これぞゲーミングディスプレイの最先端 EIZO「FORIS FS2735」徹底レビュー圧倒的スペック+スマホ連携で新次元へ(1/6 ページ)

» 2016年02月28日 09時30分 公開
ココが「○」
・ゲーム向けの先進テクノロジー満載
・IPSパネルで広視野角、発色も良好
・スマホ/クラウド連携で設定が容易に
・EIZOらしく詳細なカラー調整が可能
ココが「×」
・応答速度はTN最速モデルが上
・高性能・高機能ゆえに高価格

EIZOから“全部入り+α”のゲーミングディスプレイ

 「ゲーミングディスプレイ」を名乗る製品は5年ほど前から登場しているが、PC周辺機器では比較的新しいジャンルと言える。もちろん、一般的な外付けディスプレイとしても使えるが、ゲームをよりスピーディに、より快適にプレイすることを追求した製品だ。

 登場当初のゲーミングディスプレイは、リフレッシュレート(垂直同期周波数)が一般的なディスプレイの60Hzに対し、2倍の120Hzであることが特徴的なスペックだった。これによって、FPSなど動きが激しいゲームでヌルヌルとした滑らかな表示を実現し、プレイを有利に進められると注目を集めたのだ。ゲーミングディスプレイはここ数年でより多くのニーズをくみ取り、現行製品ではさまざまなゲーム向け機能を搭載している。

 EIZOの「FORIS FS2735」も、そんな最新ゲーミングディスプレイ製品の1つだ(EIZOはより幅広いニーズに応える「エンターテインメントディスプレイ」と位置付けている)。ワンランク上の基本スペックと数々のゲーム向け技術を備えた“全部入り”のディスプレイ本体に加えて、スマートフォンおよびクラウドサービスとの連携機能まで盛り込んできた。そんな“全部入り+α”のFORIS FS2735をじっくりとチェックしていこう。

FORIS FS2735 EIZOの27型ゲーミング液晶ディスプレイ「FORIS FS2735」。正面はシンプルなデザインながら、スタンド部分の角張った意匠にゲーミングディスプレイらしさが見られる

ワンランク上の解像度・大画面、そしてIPSパネル採用

 FORIS FS2735は、解像度2560×1440ピクセル(WQHD)の27型ワイド液晶パネルを搭載する。現在の外付けディスプレイにおけるスタンダードな仕様は、解像度が1920×1080ピクセルのフルHD、画面サイズが23〜24型なので、それぞれワンランク上と言える。

 ゲーミングディスプレイとしては、同程度の視聴距離で見比べた場合、27型のほうが24型よりも広く視界を覆うため、ゲームへの没入感がグッと増す。ゲームタイトルによっては画角の設定を変更できるので、それと組み合わせると、より自然な視界でゲームが楽しめる。そして画面が広くなったぶん、解像度も高めているため、精細な表示が味わえるというわけだ。

27型WQHD 27型の大画面、2560×1440ピクセル(WQHD)の高解像度によって、ゲームプレイにおける没入感が向上する

 ディスプレイの表面は低反射のノングレア仕様だ。ノングレアであることは、ゲーミングディスプレイではほとんど必須と言える。光沢のグレア仕様だと、ゲームプレイ中にインテリアや照明、ユーザーの姿が映り込み、敵や飛んでくる弾が見づらい場合があるからだ。ノングレアならば、そうした問題を最小限に抑えられる。

 液晶パネルの駆動方式はIPSだ。一般的な液晶ディスプレイではIPSパネルが主流になりつつあるが、ゲーミングディスプレイでは少し事情が異なる。後述するハイリフレッシュレートや高速な応答速度といったゲーム向けスペックを実現するには、コスト面も含めてTNパネルが有利なため、IPSパネルのゲーミングディスプレイが出てきたのは最近のことだ。

 TNパネルと比較した際のIPSパネルのメリットは、色味や視野角にある。TNパネルは斜めから見た際に色味が変わってしまうことがあり、特に27型クラスの大画面モデルでは四隅の見え方の違いが気になることもあった。

 これに対してIPSパネルを採用するFORIS FS2735では、そうしたことが全く起きない。視野角は上下/左右で178度と十分な広さだ。かなり浅い角度から見ても色味が変わることなく、四隅までクリアな表示が得られる。一般的な視聴距離で使用するのであれば、色味に関する不満は全くない。

 そのうえ、色再現性や画作りに関してはEIZOが長年培ってきた映像技術が加わり、画質の点では文句なしだ。ゲーミングディスプレイは高速性を大事にするあまり、画質を犠牲にしがちな製品も多いが、FORIS FS2735はきちんとEIZOらしいクオリティーが保たれている。店頭などでTNパネルのゲーミングディスプレイと見比べる機会があれば、直ちにその差が分かるだろう。

 一方でIPSパネルは構造上、TNパネルに対して応答速度が不利になりがちだ。FORIS FS2735の応答速度は中間階調域で4ms。数値だけを見ると、中間階調域で1msの高速応答をうたうTNパネル搭載製品も多く、物足りなさはある。

 もっとも、実際に1msのTNパネル搭載ディスプレイと見比べても、体感上の違いはほとんど感じられなかった。同じテストパターンを表示して厳密にチェックすれば、応答速度の差はあるのだが、映像の滑らかさやキレを決める要因はそれだけではなく、msの数字だけで全てを判断するのは早計だろう。

カラーグラデーション表示 最大表示色は約1677万色の8ビット表示。10ビット対応ではないが、現行のゲーミング用途では十分だ。カラーグラデーションは滑らかな表示で、階調の再現性も高い
グレー表示 グレーの階調表現も自然で滑らか。この辺りの表示品質は、業務用カラーマネジメント系や医療系のディスプレイで実績があるEIZOのノウハウが生かされている
ガンマ補正カーブ X-Riteのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Pro」とソフトウェア「i1 Profiler」を用いてFORIS FS2735の表示を計測し、出力されたガンマ補正グラフ(階調再現性に配慮したsRGBモードで計測)。黒に近い暗部は仕方ないが、ほぼ全域でRGBの3本線が重なっており、美しいグラデーション表示を裏付ける結果だ。色温度の実測値も6490Kと、sRGB規格の6500Kにきちんと合っていた
色域 i1 Proで計測して作成したICCプロファイルを色度図作成ソフト「ColorAC」で表示した。点線がsRGB規格の色域、実線がFORIS FS2735の色域だ。sRGBカバー率は98.6%、sRGB比は107.4%だった

144Hzのハイリフレッシュレートに対応

 リフレッシュレートは最大144Hzの入力に対応する。Windows上からは60/100/120/144Hzが標準状態で切り替え可能だった。

 リフレッシュレートとは、ディスプレイが1秒間に何回画面を書き換えるかを指す値と考えると分かりやすい。一般的な60Hz(1秒間に60枚の画像書き換え)のディスプレイでも自然に映像を楽しめるが、リフレッシュレートが高いほど映像はスムーズに見える。パラパラマンガの枚数が多いほど、動きが滑らかに見えるのと同じ原理だ。実際、60Hzと120Hzの表示ではマウスのカーソルを動かしただけで、滑らかさの違いが分かる。

 ゲームではこの違いが対戦結果やスコアに影響を与えるため、120Hzや140Hzのようなハイリフレッシュレートへの対応が非常に重要だ。1/60秒より細かな1/144秒に刻まれた時間、つまり画像書き換え枚数の多さに少しでも反応できれば、FPSなどで対戦相手より一瞬早く状況を把握してアクションを起こし、出し抜くことができるかもしれない。

 もちろん、144HzというハイスペックはGPUからの映像送出が追い付かなければ意味がないのだが、e-Sportsなど本気でゲームを勝ちに行きたい場合には欠かせない要素だ。

Windowsのハイリフレッシュレート設定 ハイリフレッシュレートを有効にするには、Windows上からディスプレイの設定で「画面のリフレッシュレート」を切り替える必要がある
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