AMD A10-7890KとWraith Coolerの性能をチェックするSocket FM2+でついに定格4GHz越え(3/4 ページ)

» 2016年04月06日 18時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]
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さらば爆音!Wraith Coolerは冷却性能・静音性ともに向上

 さて、A10-7890Kでは同時に製品付属のCPUクーラーが、新設計の「Wraith Cooler」となる。そして、既存の一部製品にもWraith Coolerと同等の性能を持つクーラーが付属する予定だ。TDPは125ワットまで対応しており、TDPが95ワット、CPU倍率もロックフリーのA10-7890Kなら多少のオーバークロックをしても十分に対応できる計算になる。こちらの構造を確認しておこう。

A10-7890Kに付属するWraith Coolerと同等のものだろうか。ファンカバーのAMDロゴが確認できなかった

 Wraith Coolerは、旧CPU付属クーラーの構造はそのままに大型化した印象だ。ファンの口径も大型化されている。大雑把に言えば、CPUクーラーの冷却性能はヒートシンクの大きさとファンの風量で決まり、CPUクーラーの静音性はファンの口径と回転数によって決まる。Wraith Coolerは、それぞれを大型化したことによって、冷却性能、静音性の双方の改善を狙ったCPUクーラーだ。

Wraith Cooler(写真=左)と、従来のA10-7870Kに付属していた旧CPU付属クーラー(写真=右)

 細部を見ていこう。まずCPU接触面は銅製で、これは旧CPU付属クーラーと同じ構造。ヒートパイプに関しても4本という構造に変わりはない。ヒートシンク部分は、フィンの密度がおろそかになった印象だが、大型化のぶん表面積では拡大しているだろう。

 ファンは9cm角サイズで、6cm角程度と小口径だった旧CPU付属クーラーと比べると大きさにかなりの違いがある。同時にファンの厚みも異なるので、ブレードが一回転することで生じる風量には相当な違いが出ることになる。

CPU接触面は銅製で、若干大型化しているだろうか

ヒートシンクのフィンは若干だが間隔が開いた印象。とはいえ大型化によって表面積は増えているだろう

ヒートパイプの本数は4本で変わらず。ただしここもヒートシンクの大型化に合わせて、長さが拡大した可能性があるだろう

ファンの口径は大幅に拡大

 CPUソケットへの固定方法は従来同様。CPUソケット側の固定器具にあるツメに引っ掛け、レバーでロックする方法だ。なお、Wraith Coolerは大型化したためにレバーとファンのカバー部分とが近い。

Wraith Coolerは、約10cm(幅)×11.5cm(奥行き)×8.3mm(高さ)

 CPUクーラーとしての性能向上を狙ったWraith Coolerだが、マザーボードとの相性には注意が必要のようだ。特に大型化したことでメモリスロットとの干渉する可能性が増えている。手持ちのmicroATX、Mini-ITXマザーボードで試したところ、ヒートシンクの大きなメモリでは干渉が生じた。

 Mini-ITXのようにメモリが2スロットしかない場合はとくに深刻だ。干渉を避けて外側1枚、シングルチャネルで動作させるというのはパフォーマンスが低下するので、現実的ではない。なんとかメモリ側で対処したいところだが、ヒートシンクの背が低い、あるいはヒートシンクのないメモリは動作クロックが低いものが中心で、それではAPUのGPUパフォーマンスを引き出せない。このジレンマに悩まされることになるだろう。

Mini-ITXサイズのMSI A88XI AC V2にWraith Coolerと各種メモリを組み合わせてみた例。背の高いヒートシンクを装着したメモリはまず間違いなく干渉する。ヒートシンクの小さなメモリは無事動作したものの、ヒートシンクと接触していた。ヒートシンクのないメモリは干渉せず利用できた

microATXサイズのASUSTeK A88XM-AにWraith Coolerと各種メモリを組み合わせてみた例。こちらも背の高いヒートシンクでは干渉したが、チャンネルB側にメモリを逃せば大丈夫(ただし2本しか使えなくなる)。ヒートシンクの小さなメモリは問題なく装着でき、Mini-ITXマザーボードに搭載した際にはなかったわずかな隙間も生まれた

 また、Mini-ITXマザーボードでは、グラフィックスカードとの干渉も問題になりそうだった。試しに装着したグラフィックスカードとは、コンマ数ミリのクリアランスがあったが、ケース側の固定ネジの締め方次第ではヒートパイプとグラフィックスカードの基板裏面が接触する可能性もある。接触してしまった場合、ショートによってPCのハードウェアに深刻なダメージを与えることも考えられる。どうしても、という場合には耐熱性のある絶縁シートを張り付けるのがよいだろう。

Mini-ITXサイズのMSI A88XI AC V2にWraith Coolerとグラフィックスカードを組み合わせた例。ギリギリの隙間はあるが、なんらかのショート対策を施すべきだろう。また、基板裏に放熱板を付けたグラフィックスカードでは間違いなく干渉するので要注意

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