時代を先取り! 「USB Type-C拡張機能」対応の新型デバイスを選ぶ手軽につなげて高性能(1/2 ページ)

» 2016年05月07日 06時00分 公開
[鈴木雅暢ITmedia]
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 USB規格の新しいコネクタ「USB Type-C」を搭載する製品が増えてきた。

 このUSB Type-Cは、小さくて上下の向きがないことのほかに、最大100ワットの給電ができる「USB PD」、USBケーブル内に他のインタフェース信号を流せる「USB Alt Mode」といった拡張機能を備えており、これらに対応した製品同士であれば、画面表示や充電/給電、データ転送と、マルチな用途をUSB Type-Cケーブル1本のみで行える。

 USB Type-C搭載PC/タブレットの増加に伴い、こうした機能に対応したデバイスが幾つか登場してきたので、まとめてチェックしていこう。

USB Type-C 映像入力と電力供給を1本のUSB Type-Cケーブル接続で済ませられるモバイルディスプレイなども出てきた(写真はASUSTeK「MB169C+」の利用イメージ)

先進機能満載の4K液晶 LG「27UD88-W」

 LGエレクトロニクス・ジャパンの「27UD88-W」は、映像入力端子として2基のHDMI 2.0とDisplayPortに加え、USB Type-Cポートも装備する27型4K液晶ディスプレイ。実売価格は8万円台前半〜後半(税込、以下同)だ。

 このType-CポートはUSB Alt Modeを利用してDisplayPortの信号を流す「DisplayPort over USB-C(以下、DP over USB-C)」仕様に対応したものだ。なお、VESAでは当初この仕様を「DisplayPort Alt Mode(DP Alt Mode)」と呼んでいた。本製品のマニュアル内などでもこちらの名称が使われている。

 USBのデータ転送(USB 3.1 Gen.1/最大5Gbps)やUSB PD対応の給電機能(対応容量記載なし)にも対応しており、ケーブル1本の接続で、画面表示と接続デバイスへの給電、データ転送(USBハブ機能)が可能だ。USBハブ機能のダウンストリームポートとしては、2基のType-Aポート(USB 3.1 Gen.1)を備える。

 液晶ディスプレイ自体の性能も高い。狭額縁デザインで画面の表示解像度は3820×2160ピクセル(4K UHDTV)、表示色は10bitカラー入力に対応。液晶配向方式はAH-IPSを採用し、視野角は上下/左右とも178度だ。色域はsRGBを99%以上カバーするほか、Rec.709、SMPTE-C、医療用画像に関する国際規格のDICOMなどに対応した設定モードを用意し、X-Riteなどのセンサーに対応したハードウェアキャリブレーション機能も搭載する。

 また、AMDのディスプレイ同期技術「FreeSync」(GPUからの映像出力フレームとディスプレイのリフレッシュレートを同期させてティアリングを抑える)に対応しているほか、フリッカーセーフ(LEDバックライトのちらつき排除)、目にかかる負担を軽減するというブルーライト低減モードなどトレンドの機能も持つ。

27UD88-W いち早くUSB Type-Cポート(DP over USB-C対応)を装備した27型4K液晶ディスプレイ「27UD88-W」

 なお、同様にUSB Type-C搭載の27型4K液晶ディスプレイとしては、レノボ・ジャパンから「ThinkVision X1」も発表されている。直販サイトの納期は5月23日ごろと表示されており、実際に入手できるのは少し先になる見込みだ。直販価格は10万2600円。

ThinkVision X1 こちらはレノボ・ジャパンが投入したUSB Type-C搭載の27型4K液晶ディスプレイ「ThinkVision X1」。LEDライト付きのフルHDカメラ、デュアルアレイマイクを搭載しているのがユニークだ

Type-C接続だけで使えるモバイル液晶 ASUSTeK「MB169C+」

 ASUSTeKの「MB169C+」は、USB Type-Cケーブル1本のみで使える薄型軽量の15.6型モバイル液晶ディスプレイだ。実売価格は3万円台前半。

 ボディーにはUSB Type-C(DP over USB-C対応)ポートが1基だけあり、映像入力と電力供給をこれで行える。バッテリーを内蔵しないため、15.6型ながら厚さ8.5ミリ、約800グラムと薄型軽量で、ACアダプターも不要だ。

 表示解像度は1920×1080ピクセルのフルHDに対応する。液晶の配向方式はIPSを採用し、表面処理は映り込みを抑えたノングレア仕上げだ。最大輝度は220カンデラ/平方メートル、コントラスト比は700:1、応答速度は5ms(中間階調)と、モバイルディスプレイとしては十分なスペックだろう。ブルーライト軽減機能も搭載している。

 なお、同社製品にはUSB 3.0(USB Type-A)ポートで同様のことができる「MB169B+」もあるが、映像信号をUSBのプロトコルで送る仕様なので、表示遅延が構造上発生しやすい。DisplayPort信号(1.2なら最大21.6Gbps)をそのまま送れるDP over USB-Cは、レスポンスの面で大きなアドバンテージがある。

MB169C+ ASUSTeKの「MB169C+」は、USB Type-Cからの給電で動作する液晶ディスプレイ。こうした製品ではUSB Type-C(DP over USB-C)の仕様がより生きる

100ワット給電対応のベイアクセサリ ASUSTeK「USB 3.1 UPD PANEL」

 ASUSTeKの「USB 3.1 UPD PANEL」は、同社製マザーボードで使える5インチベイタイプのフロントUSB 3.1ボックスだ。実売価格は8000円前後。

 USB Type-Cポートを2基搭載し、片方はUSB PDに対応する。100ワットのプロファイルまで対応するため、スマートフォンやタブレットはもちろん、ノートPCなどへの給電も可能だ。また、2基ともUSB 3.1 Gen.2(最大10Gbps)対応ポートのため、データ通信も高速にこなす。

 マザーボードとはSATA Expressポートで接続する仕様だ。また、中身の基板を取り出してPCI Express x1カードとしても運用が可能と、自作PCのスパイスとしてなかなか刺激的な製品となっている。

USB 3.1 UPD PANEL ASUSTeKの「USB 3.1 UPD PANEL」は、100ワット給電ポートを備えるUSB 3.1 Type-Cインタフェースパネル兼カードというユニークな製品だ
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