外に洗濯物を干したはいいが、外出中だったり、家にいたとしても気付かないうちに急な雨に降られて、結局洗いなおす羽目に……。そんなトラブルは、特に一人暮らしや共働き夫婦の読者であれば一度は経験したことがあるかもしれない。
今回紹介する「Peggy」は、そんな悩みをテクノロジーを駆使して解決してくれる“スマート洗濯バサミ”だ。
開発したのは、オーストラリアの洗濯用洗剤メーカー・OMO。通常の洗濯バサミよりは二回りほど大きく、その代わり日照や気温、湿度、紫外線などを測定するセンサーが内蔵されている。
それらを駆使し、ユーザーが住んでいる地域の天気を常時監視。また、直近の天気を予測してもしも雨が降りそうなら、Wi-Fi経由でユーザーのスマホアプリに通知してくれる優れものだ。
在宅中ならすぐに洗濯物を取り込むことができるし、もし外出中であってもすぐに帰宅したり、家にいる誰かに代わりに取り込むよう頼んだりすればいい。もう一度洗濯しなおす手間から解放されるだろう。
洗剤メーカーが開発しただけあって、そのユーザー体験は既存の天気アプリとは一線を画す。洗濯物の量や通常洗濯にかかる時間を入力すれば、その情報と直近の気温・湿度を踏まえ、洗濯物が乾ききる時間を逆算し、洗濯に一番適したタイミングを教えてくれる。
ちなみに、リチウムイオンバッテリーを使用しており、ユーザーはUSB経由で充電する。バッテリーの持続時間や充電時間は非公開だ。
また、洗濯物に関すること以外のアドバイスも。空が晴れ、子どもが外で遊ぶのに適した天候になると、ユーザーにプッシュ通知してくれる。
OMOのミッションは、洗濯にかける時間を短縮させること。そして、「洗濯をもっと手早く済ませ、子どもたちと遊ぼう」というスローガンを掲げている。同社の主な顧客層は時間に追われる子持ちの共働き世代。Peggyを使って彼らの家事を効率化させ、外で子どもを遊ばせる時間を確保させようとしているのだ。
残念ながらPeggyはまだ試作段階で、現在サイト上でオーストラリア在住者に対してモニターを募集している。同社のFacebookページではこの知らせに対してユーザーから、「とても良いアイデアだ」「早く使ってみたい」など、期待の声が多く寄せられている。
現時点では製品化に至るまでの具体的なスケジュールは明かされていないが、実現した場合、価格は1つあたりおよそ50〜90オーストラリアドルに設定されるという。また製品化されるまでに、バッテリー持続時間はより長くなる予定。
乾燥機が普及し、時間に関係なく洗濯から乾燥までできるようになったとはいえ、洗濯物はできることなら外に干したい。それに洗濯は週に2〜3度、家庭によっては毎日のように行うもの。だから少しでもストレスを減らしたい。
日本ももうじき梅雨の季節だが、Peggyのようなデバイスがあれば天候の変化に気をもむことなく洗濯できそうだ。
執筆:橋本沙織、編集:岡徳之(Livit Tokyo)
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