「iPhone 7」日本特別モデルは必然の進化本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/2 ページ)

» 2016年09月09日 15時30分 公開
[本田雅一ITmedia]

 既報の通り、米Appleは9月7日(現地時間)に「iPhone 7」を発表した。

 筆者は2015年に引き続き、サンフランシスコで開催されたAppleのスペシャルイベントに参加したが、歴史をひもといても、これほど「日本」が目立ったiPhoneの発表会はなかった。

iPhone 7 ついに防水仕様(IP67)になった「iPhone 7」 ※画像は2つのレンズを内蔵した「iPhone 7 Plus」

マリオとポケモンがApple製品のキラーアプリに?

 イベントの冒頭では、任天堂の宮本茂氏が「SUPER MARIO RUN」と名付けられた、スマートフォン向けに再設計されたスーパーマリオを披露。通訳を介しての講演ではあったが、全参加者年齢をカバーする幅広いファン層を持つマリオだけに、会場を興奮の坩堝(るつぼ)に巻き込んだ。同アプリは2016年内、iOS向けに先行リリースされる(Android向けの出荷時期は未定)。

SUPER MARIO RUN マリオの生みの親である宮本茂氏が自ら登壇し、スマートフォン向けに再設計したiOS向けアプリ「SUPER MARIO RUN」を紹介。片手でスマホを持ったまま手軽にプレイできるのが特徴だ

 開発元こそNianticとはいえ、日本発のキャラクターが主役のゲーム「Pokemon GO」(以下、ポケモンGO)がApple Watchに対応したことには、「これぞキラーアプリ」との呼び声が高い。Nianticの出自が、Googleの社内ベンチャーだったことを考えるとなおさらだ。

 Apple Watch対応のポケモンGOでは、ポケモントレーナーのステータス管理やタマゴの状態、ポケストップのアイテム取得、それにポケモンを発見した際の通知をApple Watch経由で行える。すなわち、ポケモンを探す際にスマートフォンの画面を見なくても済むよう配慮されている。

Pokemon GO Apple WatchでポケモンGOがプレイ可能に。これでiPhoneの画面を見続けなくても、ポケモンの探索やポケストップのアイテム取得が行えるようになる

 細かな実装については説明されなかったが、このアプリのアナウンス直後にAppleは「Apple Watch Series 2」を発表した。新モデルにはGPSが内蔵されるため、Apple Watch単体でポケモンGOのアプリが走るようになるかもしれない。

Apple Watch Series 2 GPS内蔵の「Apple Watch Series 2」も登場

日本モデルのみFeliCaに対応

 そして極め付きはFeliCaへの対応だ。

 iPhone 7とApple Watch Series 2へのFeliCa搭載は、日本市場に出荷されるモデルのみに限られる。対応バンドが同じ海外版のiPhone 7を購入しても、FeliCaは内蔵されていないので注意が必要だ。一方で、それだけ強く日本市場にコミットして、FeliCaへの対応を行ったと考えられる。

 なぜなら、単純にFeliCaに対応できるLSIやアンテナを内蔵したとしても、望み通りに「おサイフケータイ的なアプリ」が使えるわけではないからだ。おサイフケータイの枠組みは日本の携帯電話向けサービスから始まり、極めて独自に発展してきた経緯がある。

 単純に国際標準にのっとって必要なハードウェアをそろえるだけではなく、アプリケーション、サービスを提供する側との密接な協力がなければ実現できない。

FeliCa Appleのフィル・シラー氏がiPhone 7の特徴の1つとして紹介した「FeliCa」の搭載と「Suica」の対応。iPhone 7だけでなく、Apple Watch Series 2もSuicaの改札読み取りに対応する

やはり高い完成度を誇るiPhone 7

 発表会を振り返り、そして製品に実際に触れてみて感じるのは、その高い完成度だ。

 これまで指摘されてきた防水、防塵(ぼうじん)機能も含めて弱点をつぶしてきた一方、元より得意分野だったカメラをさらに磨き込んだ。こればかりは実際に撮影してみなければ正確な評価は下せない。

 とはいえ、ハンズオンでの撮影やサンプル写真などから判断するに、低照度時の画質向上、また明所における細かな情報量の増加、立体感の増加、それに明部、暗部に宿るディテールの深さやコクのある発色など「写真を生み出す装置」としての完成度は確実に高まっている。

カメラ iPhone 7はレンズがF2.2からF1.8に明るくなり、イメージセンサーも強化された。iPhone 7 Plusは望遠レンズ(F2.8)を追加したデュアルカメラ仕様に進化し、背景をぼかす機能も用意する

 イヤフォン端子を排し、Lightningに集約したオーディオ機能に関してもさまざまな議論はある。しかし、電話交換手が使っていた交換機用プラグをアレンジした端子を今後も使い続けるより、デジタル出力やワイヤレスでの接続など、使用感、機能の両面で今後の進化が望める形で実装し直し、空間利用効率が向上したぶんを他の用途に割り振るという判断も筆者は肯定的に捉えた。

 手持ちの高級イヤフォンがアダプター経由でしか使えない、あるいは自撮り棒のシャッターボタンが使えないなど、短期的には大いに不満が出てくるだろうが、恐らく1年後にはほとんど不満の声が出なくなっているのではないか。

Lightning イヤフォン端子はついに廃止。Lightning端子を備えたイヤフォン(EarPods)が付属するが、既存の3.5mmステレオミニのヘッドフォンなどを接続する場合は、付属のLightning変換アダプターを使わなければならない
AirPods 純正アクセサリーとして、ワイヤレスのイヤフォン「AirPods」も用意する
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