続・林信行の「iPhone 7」先行レビュー新時代の幕開けを予感させる「iPhone 7」(2/3 ページ)

» 2016年09月14日 18時55分 公開
[林信行ITmedia]

生まれ変わったホームボタンの不思議

 サイズ感だけ踏襲しながらも全く新しく生まれ変わっているiPhone 7では、目に入るものすべてが新しくなっている。iPhoneのかなめである美しいRetina HDディスプレイも、これまでより25%明るく、より広い色域を扱えるようになった。

 だが、実際に製品を使い始めて最初に感じる変化は、ホームボタンかもしれない。

ホームボタンを押したときのフィードバックの強さは3段階で設定できる

 本体正面、液晶画面の下に鎮座するホームボタンは、9年前の初代iPhone登場以来、同製品シリーズの大きな特徴だった。操作を誤っても、このボタンを押せばホーム画面に戻れる安心感が「初心者に優しいiPhone」のイメージを確固なものにし、その後、アプリの切り替えやSiriの呼び出し、TouchIDと呼ばれる指紋認証といった機能も加えられていった。その一方で、これまでずっと変わらなかった部分もある。それはこのボタンが、押せば下に沈むボタンだったということだ。

 一部の機種では使い込むうちにボタンが沈みにくくなるなどの問題もあったが、これからはその心配がなくなる。iPhone 7のホームボタンは、正確にはボタンではなく本体正面に刻まれたただの凹みとなったのだ。ただし、この部分には押した強さを検知するタッチセンサーが内蔵されており、指紋認証のTouchIDの技術も内蔵されているので、これまでのホームボタンと同様の操作ができる。それどころか内蔵されたTAPTIC Engine(触覚エンジン)のおかげで押したことが分かるフィードバックが生み出される。

 少し違うのは押したときの感触だ。

 iPhone本体を4本の指で持ち、親指で押し込むと4本の指のほうに強い振動が伝わる。これはAppleが狙ったものなのか分からないが、iPhone本体がたわんでペコっと潰れたような錯覚を覚える。

 ここで一つ面白い発見があった。iPhoneを卓上において、5本の指それぞれでホームボタンを押し比べてみると、親指で押したときと人差し指で押したときで全く感触が異なり、人差し指で押すと、きちんとボタンが沈んでいるように感じるのだ。

 実はこちらの触覚こそAppleが狙っていたものではないかと筆者は思っている。女性ユーザーなどは大きなiPhone 7 Plusを卓上において人差し指で操作している人も多い。そういった操作をしている人なら、しばらくホームボタンがただの凹みに切り替わったことには気がつかないかもしれない。

 ちなみにホームボタンを押したときの触覚の強さは、「設定」パネルの「ホームボタン」設定で3段階に切り替えることができる。ホームボタンの仕様変更に合わせて、iPhoneのちょっとした操作方法にも変化が起きている。

 例えばこれまでのiPhoneのロック画面はホームボタンに指を置くだけでロック解除をすることができたが、iPhone 7からは指紋認証後、ボタンを強く押し込まないとロック解除ができないようになっている。

 こうした小さな変化は、慣れるまで意外と時間がかかる側面もあるが、おそらく数カ月のうちにはみんな慣れてしまうことだろう。

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