続・林信行の「iPhone 7」先行レビュー新時代の幕開けを予感させる「iPhone 7」(3/3 ページ)

» 2016年09月14日 18時55分 公開
[林信行ITmedia]
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電子決済と耐水性能でようやく従来型携帯超え

 10世代目となるiPhoneだが、日本でその前に普及していた従来型携帯電話(通称、ガラケー)にかなわない部分もあった。それは日本の先進的な電子決済の技術が使えなかったことと、国産の多くの従来型携帯電話が対応していた耐水性を備えていなかったことだ。

 もっとも、従来型携帯電話の耐水性は、端子などを覆うゴムパッキンなどを完璧にはめた状態の時だけ有効なものであり、少しでもふたが緩んでいると、むしろ水に弱い“有名無実な耐水性”の製品も少なくなかった。

 iPhone 7もSIMカードスロットの内部などに水の侵入を防ぐゴムパッキンがついてはいるものの、通常使いの状態、特別なふたをせずに普段使いの状態での水濡れ対策、防じん対策ができている。

積極的に濡らすことは推奨されていないが、万が一濡れても問題ない

 耐水性能はIP67というレベルで、積極的に水に濡らすことを推しているわけではないが、例えば台所などの水周りや夏場のプール際でも、これまでのiPhoneと違って安心して使でるのはうれしい。なお、もし水に濡れた場合は充電端子が乾くまで充電を避けたほうがいい。

iOS 10で幕を開ける10年目のiPhoneの進化

 ここまで前/後編に分けてiPhone 7の魅力を伝えてきた。これ以外にもA10 FusionというCPU(スマホの頭脳)を搭載したことで、これまで以上に高い性能を発揮しつつ、低負荷時の消費電力を抑えることで、iPhone史上最も長いバッテリー動作時間を実現するなど、まだまだ語りつくせない魅力は多い。

 最後にiPhone 7以後のiPhoneで、我々の暮らしがどう変わるのかという部分にも触れておきたい。その中心になるのが10世代目のiOS、iOS 10だ。もちろん、この最新iOSはこれまでのiPhoneでも利用できるが、iPhone 7はこのiOSの魅力を最大限に発揮するようにデザインされている。

 そんなiOS 10の新機能として、表現力が豊かになったメッセージング機能や、よりインテリジェントになったSiriが注目を集めているが、筆者が最も期待を寄せているものの一つがHomeKitと呼ばれるスマート家電を集中管理するための機能だ。

 これまでにも多くの会社がスマートフォンから操作ができる電子ロックや電球などを販売していた。しかし、それらは製品ごとに別々のアプリを利用せねばならず、他社製アプリから操作ができないものが多かった。そんな中、HomeKitは同じ電球、空調あるいは電子ロックであれば、メーカーの違いを超えホーム画面に追加される「ホーム」というアプリを使って(あるいはSiriへの命令で)操作できるようになる。

 実際、筆者は自宅で、リビング、仕事部屋、寝室、廊下、バスルームなど合計5つほどの部屋に、PhillipsのHueというHomeKit対応電球を20個設置している。Siriに命令するだけで仕事部屋の電球を点灯したり、「おやすみ」というだけで本来は3個セットでオン/オフしなければならない廊下の電球を1個だけ半分の明るさにし、それ以外の電球をすべてオフにしたりというホームオートメーションへの第一歩を踏み出し始めており、もはやこの快適さから後戻りできなくなってしまった。今後、iOS 10の普及とともにHomeKit対応のスマート家電は少しずつ広がりを見せていくことになるだろう。そして、これは2020年にかけて、我々の暮らしを大きく変えていくはずだ。


 登場したてのiPhoneはインターネットの便利さをポケットに入れて持ち運べるようにしたデバイスだった。その後、アプリ革命が始まり、インストールしたアプリ次第でさまざまな用途に使えるiPhoneの千変万化ぶりを楽しむ時代がやってきて、その中でもiPhoneを通して世界の仲間と常につながっているソーシャルメディア全盛の時代になった。次にやってくるのはいよいよiPhoneを使って住まいなどの環境に関わっていく時代だろう。

 10世代目のiPhone、iPhone 7はまさにそんな時代の幕開けを感じさせるiPhoneであり、10年目以降のiPhoneの新しい進化を予見させる素晴らしいメジャーアップデートに仕上がったと思う。これまでずっとiPhoneを使い続けてきた人には、すぐにでも体験してほしい待望のアップグレードだ。

(モデル:市川渚 /撮影:井上直哉)

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