反転攻勢へ!「Ryzen 7」の爆速性能を確かめる自作PC市場における期待の新星(5/5 ページ)

» 2017年03月11日 00時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]
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ゲーム系ベンチの結果は……

 それでは、以降Ryzen 7を検討する方の主な目的となるだろうゲーム性能を見ていこう。まずはRise of the Tomb Raider。設定はDirectX 12、画質は設定可能な箇所をすべて最大に引き上げている。検証環境のGPUがRadeon RX 480なので、1920×1080ピクセル以上は負荷が高すぎ、実際にプレイするならFHDあるいは画質を落としたい。

 さて、フレームレートはCore i7-7700Kよりもわずかに低めに出る傾向が見られたが、Ryzen 7 1700Xは健闘しており、おそらく今回不調の1800Xも実際にはこれに近いスコアを出すものと思われる。この負荷でFHDなら2fps程度の差であるので、実際のプレイで気になるほどではなさそうだ。Rise Of The Tomb Raiderのもう一つのグラフは最小フレームレートをグラフ化したもの。最小フレームレートについては、明らかにRyzen 7勢が高めに出る傾向が見られた。

Rise Of The Tomb Raider 平均fps

Rise Of The Tomb Raider 最小fps

 次からはメインストリームゲーマーに合わせ、1920×1080ピクセルでの結果を見ていこう。The Divisionも、それぞれの差は2.5fps以下なのでほぼ誤差の範囲だ。ここもCore i7-7700Kに対してほぼ同等と言えるだろう。

The Division

 Watch Dogs 2の平均フレームレートと最小フレームレート。これもそれぞれ差は2fps程度なので誤差の範囲と言えるだろう。

Watch Dogs 2

 最後に消費電力。マザーボードがAMDとIntelとで異なるので平等ではないが、Ryzenのほうが高い値である傾向だった。ライバル関係にあるRyzen 7 1700とCore i7-7700Kは、TDPで見ると65W対91W。その上で10WほどRyzen 7 1700のほうが高かったわけだが、マザーボードの違いを考慮すれば、Intel環境でPC用の電源を選ぶ際、Ryzen 7ではプラス30W程度多く見積もれば間違いないだろう。これまでのように100W単位で多く見積もる必要はない。その点でFXシリーズからは着実に進歩している。

消費電力

AMDとIntelががっぷり四つを組むことでPC市場が変化に向けて動き出す

 これまでのAMDの主力CPUであるFXシリーズではLGA115x系Core i7に対抗するのが辛かったのだが、Ryzen 7では十分に対抗でき、その上でマルチスレッド性能ではそれを上回ることができる。

 今回、LGA2011-v3環境とは比較していないが、Intelユーザーでもエンスージアスト向け環境に移行するのは決断が必要で、そう簡単にはいかなかった。しかし、Socket AM4なら、Ryzen 7 1800Xのところまで同一プラットフォームでパフォーマンスを引き上げられる。どちらも外部GPUが必要という点ではLGA2011-v3と同じだが、Socket AM4のほうが多少気楽だろう。この下にRyzen 5やRyzen 3が控えているからだ。Socket AM4でLGA115x系のCore i3〜Core i7、そしてその上まで対応できることは大きな武器だ。

 また、マザーボードはまだ供給量が需要に足りていないようだ。加えて、現時点で登場しているのはハイエンド寄りであり、ATXばかりである。今回、CPUクーラーは評価キット付属のものを利用したが、その冷却性能で見る限り、Ryzen 7 1700は特にCPU温度の上昇が抑えられているようで、ならば小型&高性能PCで組んでみたいという欲求が高まる。microATXやMini-ITXのマザーボードが出てからが本番ではないだろうか。おそらく、COMPUTEXのある6月が一つの契機になるだろう。そのころまでにはマザーボードの供給も、ラインアップも、充実してくるものと思われる。そして、メモリの相性なども、そのころまでにはマザーボード側のBIOS更新などで改善しているのではないだろうか。

 最後に、発表から発売までRyzen 7を見てきた印象として、自作PC市場に活気をもたらす極めて重要な製品であるように感じた。まず、Ryzen 7がCore i7を明確に上回ったわけではないが、がっぷり四つに組み合った格好と言える。ほぼ互角だ。

 最高性能という点では、10コア/20スレッドのCore i7-6950Xがあり、一方でコストパフォーマンスの点ではRyzen 7 1800XがライバルのCore i7-6900X(6950Xの一つ下)に対して大きすぎるアドバンテージを築いた。LGA1151のCore i7-7700Kに対してはRyzen 7 1700が引けを取らない。つまり、パフォーマンスに対するユーザーの選択肢は広がった。

 その上でRyzen 7 1700のマルチスレッド性能は、Coffee Lakeで予定されるLGA115x系CPUでの6コア化につながる。メインストリームにおけるマルチコアがさらに進むとなれば、コンシューマー向けアプリケーションでの最適化も一層加速されるだろう。やや停滞していた自作PCも、これから大きく動き出す。その意味でRyzen 7は期待の新星と言える。

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