先週(2017年7月24日〜7月28日)は、IT業界でレガシーに別れを告げるニュースが目立ちました。
ちなみに、その前の週にはヤフーが「Yahoo!ツールバー」を10月31日に終了すると発表しています。
こうして並べてみると「最近あまり使っていなかったな」というものが多いのですが、PCやインターネットの世界も遠くまで来たものだと感慨深いです。
RSSリーダーはユーザー数が大幅に減少していますが、メディア関係者であれば今でも使っている人が多いんじゃないでしょうか。話題になっているニュースをキャッチするにはTwitterがいいですが、話題になる前に情報を知りたければ一次ソースに直結したRSSが便利です。私は「Feedly」を使っています。今でも新機能がぼちぼち追加されるので、当面なくならないと思います。
Microsoftの「ペイント(Paint)」は、反響をみる限り今でも使っている人が多いようです。確かに、PCの画面をスクリーンショットにしてそこに説明を入れてJpegで保存する、というようなちょっとした作業には便利。その程度のことのために機能満載のグラフィックス専門ソフトを起動するのは面倒ですし。
ペイントは完全になくなるわけではなく、Windowsストアから無料でダウンロードできるようになるので、頻繁に使っている人はWindows 10の次期大型アップデート「Fall Creators Update」後にインストールすればいいと思います。
Microsoftがデフォルト描画ツールにするつもりの「3Dペイント」に、3D関係の機能を隠せる「ペイントモード」を追加してくれるといいんだけどなぁ。
「Adobe Flash」の終了は、一般ユーザーにとっては頻繁なセキュリティアップデートがなくなるし、「Flash Playerがないから再生できません」とか「クリックしてAdobe Flash Playerを有効にします」とかの表示を見なくて済むようになるので、どちらかと言うとうれしい話ではないでしょうか。
故スティーブ・ジョブズ氏が2010年にFlashを批判してから、AppleだけでなくGoogleやMozillaがFlash排斥の方向に進んできたので、いずれはなくなることは分かっていました。2020年とタイムリミットを明確にすることで、まだ代替ツールに移行していないサービスのお尻をたたくのが発表の目的でしょう。
一般ユーザーにとって心配があるとすれば、過去に公開され、しばらく更新されていないようなWebゲームやコンテンツが放置され、プレイしたり鑑賞したりできなくなることです。
UnityやFacebookがWebゲーム開発者向けに移行用のツールや動画セミナーを準備しているので(英語だけど)、開発者の皆さまは是非、移行してくださいませ。
Googleは通常は「春の大掃除」と称して6月ごろに終了するサービスをまとめて発表するのですが、これは唐突に来ました。
「Googlelインスタント」って何だっけ、と思う人が多いくらいだと思うので、順当な終了かもしれません。
2010年にスタートした機能で、検索枠にクエリ入力していくと、検索結果がぽわぽわと変化するというものです。目的に近い結果が表示されたところで入力をやめればいいんですが、このぽわぽわが結構煩わしくて、私はすぐオフにしてしまいました。
ちなみに、オートコンプリートで検索候補が表示される機能がなくなるのかと思った人がいましたが、そうではありません。あれは、他の人がどんなことを検索しているのかが分かって面白いので、今後も続けていただきたいです。
個人的に一番感慨深いのは「iPod nano」と「iPod shuffle」の販売終了です。これこそ、もう今ではほとんど使っていないのですが(アップテンポの曲だけを入れたnanoをウオーキングのときに使うくらい。そしてウオーキングなんてめったにしない)。
ありし日のジョブズ氏は、いつもiPodシリーズを発表するとき、とても誇らし気でうれしそうでした。
同氏が最後に発表したiPodは、2010年9月のイベントでの「iPod touch(第4世代)」「iPod nano(第6世代)」「iPod shuffle(第4世代)」でした。亡くなる約1年前ですが、いつものようにアグレッシブに、得意気にiPodを紹介しました。nanoの小さな画面を見るためにメガネをおでこにずりあげたとき、年齢を感じましたが。
どんな製品でも、いつかは販売終了のときが来るものです。でも、ジョブズ氏の最後の作品と言われる宇宙船のような新本社キャンパス「Apple Park」は、Appleが存在する限りは持続しそうです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.