Ryzen 3は性能でもコスパでもCore i3と真っ向勝負(1/3 ページ)

» 2017年07月31日 14時50分 公開
[石川ひさよしITmedia]

 AMDからRyzen CPUシリーズとしてはエントリーに属する「Ryzen 3」が登場した。AMDはRyzen 7、5と、ライバルに対してコア/スレッド数を拡大し、一方でコスパという点でも競争力をアピールしてきた。そしてエントリー向けのRyzen 3では、どのような点で自作ユーザーの心をときめかせてくれるのだろうか。


Ryzen 3はエントリー向けで4コア/4スレッド

 Ryzen 7は8コア/16スレッド、Ryzen 5では6コア/12スレッドまたは4コア/8スレッドだった。そしてRyzen 3は4コア/4スレッドとなる。ここにきて初めてSMTが無効化されたコアが登場したわけだ。ちなみに、CCX(Core Complex)は2+2構成。つまり、Ryzen 5 1500Xや1400をSMT無効化したと思えばよい。

Ryzen 3のパッケージ

ブランド Ryzen 7 Ryzen 7 Ryzen 7 Ryzen 5 Ryzen 5 Ryzen 5 Ryzen 5 Ryzen 3 Ryzen 3
型番 1800X 1700X 1700 1600X 1600 1500X 1400 1300X 1200
コア数 8 8 8 6 6 4 4 4 4
スレッド数 16 16 16 12 12 8 8 4 4
定格クロック 3.6GHz 3.4GHz 3.0GHz 3.6GHz 3.2GHz 3.5GHz 3.2GHz 3.5GHz 3.1GHz
ブーストクロック 4.0GHz 3.8GHz 3.7GHz 4.0GHz 3.6GHz 3.7GHz 3.4GHz 3.7GHz 3.4GHz
XFRクロック Yes Yes Yes 4.1GHz 3.7GHz 3.9GHz 3.45GHz 3.9GHz 3.45GHz
L3キャッシュ 16MB 16MB 16MB 16MB 16MB 16MB 8MB 8MB 8MB
メモリチャンネル数 2ch 2ch 2ch 2ch 2ch 2ch 2ch 2ch 2ch
メモリクロック DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666 DDR4-2666
TDP 95W 95W 65W 95W 95W 65W 65W 65W 65W
製造プロセス 14nm 14nm 14nm 14nm 14nm 14nm 14nm 14nm 14nm
クーラー - - Wraith Spire - Wraith Spire Wraith Spire Wraith Stealth Wraith Stealth Wraith Stealth

 Ryzen 3 1300Xと1200は、動作クロックのほかは違いがない。L3キャッシュについては、4コア/8スレッドのRyzen 5 1400と同様に8MBなので、エントリー向けCPUとして見ればリッチと言える。TDPは65Wだ。Ryzen 7 1700は、例外だが、CCX4基のRyzen 5 1500X、1400、Ryzen 3 1300X、1200はすべて65Wということになる。

 その中でも、Ryzen 3ではSMTが無効化されているため、実際にはより消費電力を抑えられると期待できる。ほか、CPUクーラーはWraith Stealthが付属。Wraithシリーズとしてはベーシックな製品だが、TDP的には十分であり、特に自作PCを初めて組み立てるような場合、コストを可能なかぎり圧縮したい方にとって、純正クーラーが付属することはありがたい。

Ryzen 3 1300X(左)と1200(右)のCPU-Z情報

両製品ともWraith Stealthクーラーが付属する。純正とはいえクリップ式ではなくネジ止め式を採用している。取り付けは、一度標準のフレームを取り外し、一方の標準のバックプレートを流用する

 さて、Ryzen 3をサポートするチップセットは、引き続きX370、B350、A320の3つがある。エントリーCPUでも多機能を望めばX370だが、コストを抑えるならB350やA320が有力になる。このタイミングで一度復習しておこう。

チップセット OC対応 レーン分割マルチGPU対応 PCI Express Serial ATA USB 3.1
X370 Unlocked 8レーン 4 2xGen2、6xGen1
B350 Unlocked × 6レーン 2 2xGen2、2xGen1
A320 Locked × 4レーン 2 1xGen2、2xGen1

 X370はOC対応でレーン分割マルチGPU対応の全部入り、B350はOC対応でレーン分割マルチGPU非対応、A320はOC非対応でレーン分割マルチGPU非対応となる。そのほか、USBやSerial ATAポート、チップセット側のPCI Expressレーン数などが若干異なる。このように、大きな機能で見れば、X370とB350についてはマルチGPUを利用するかしないか、B350とA320はOCをするかしないか、といった判断が分かれ目になる。

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