真夏の夜のVR ステルスホラー「ChainMan」が怖い

» 2017年08月17日 20時50分 公開
[ITmedia]

 日本には昔から夏の暑さをやり過ごすための工夫がある。実際に効果があると言われる打ち水をはじめ、視覚や聴覚から涼しさを演出する風鈴や鹿威しなど方法はさまざま。夏の盛りのお盆前後は「怪談」も夏の風物詩として欠かせない存在だ。何かおそろしい体験をしてでも夏の暑さを忘れたい、そんな人にぴったりのVRデモがアキバで始まっているので紹介しよう。

VRの没入感とホラーを組み合わせると……

 デモ展示が行われているのは、JR秋葉原駅から徒歩数分の場所にあるマウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップ(東京都千代田区外神田1-2-4)の2階。ちょうどリリースされたばかりのHTC Vive向けVRタイトル「ChainMan」をプレイできる試遊台が用意されている。

マウスコンピューター秋葉原ダイレクトショップ(東京都千代田区外神田1-2-4)

 “ステルスホラー”をうたうChainManは、ゾンビが徘徊する孤島からの脱出を図る一人称視点のホラーゲームだ。手がけたのはVR黎明(れいめい)期から有志でOculus Riftの国内普及に尽力していた高橋建滋氏(桜花一門氏)。「VRは没入感が高く、プレイヤーの感情を大きく動かす。今回は恐怖をテーマにした」と話す。

 筆者もChainManを体験してみたが……開始30秒でもう1歩も動きたくなくなるほど怖い。視界を制限する懐中電灯の光、浮かび上がるモノクロの廃墟、闇を横切る影、突然上から降ってくる得体の知れない何か(と床にぶつかって砕ける反響音)など、ありがちな演出なのにVR特有の没入感が大きな恐怖を呼び起こす。

ステルスホラー

某氏の体験風景

 この手のゲームでは真っ先にバイオハザードを連想するが、同ゲームとは異なり、ChainManには迫り来るゾンビを排除する方法がないのも恐怖の理由だ。例えば、プレイヤー側に強力な武器が用意され、ゾンビの配置や動きがパターン化されているのなら、恐怖を克服し、シューティングゲームとして認識できる。慣れればゾンビをショットガンで吹っ飛ばす爽快感さえ感じるかもしれない。

 一方、ChainManのゾンビは決まったパターンでエリアを巡回しているわけではなく、AIで制御され独自の思考で徘徊している。プレイヤーは、いつゾンビに遭遇するか分からない恐怖に怯えながら、対抗手段なしで暗闇をひたすら逃げ回るしかない。実際、デモ中に2回、かなり大きな声が自然に漏れてしまうほどだった。

ChainMan開発元の株式会社桜花一門代表、高橋建滋氏。「元々、深夜の歌舞伎町や台北、ロサンゼルスなど、危ない場所をぶらぶらする趣味があって、そういう深夜徘徊の緊張感をVRで表現したかった」と高橋氏

 ChainManはSteamで販売中(税込み29.99ドル)。HTC Vive版で1万本、その後発売予定のPlayStation VR版で2万本の販売を目指すという。また、9月にはVRとディスプレイの同時二人プレイ機能も追加される予定だ。

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