S13とS11は基本スペックも基本的に共通だ。Kaby Lakeの開発コード名で知られる第7世代Coreプロセッサ(Uプロセッサライン)を中心としたプラットフォームを採用する。従来モデルの第6世代Coreプロセッサ(Skylake)から世代交代した。
Intelからモバイル向けの第8世代Coreプロセッサも発表されているが、現段階では性能志向でコアを増やしたモデル(Kaby Lake R)のみのため、モバイルノートPCのメインストリームラインとしてはこれでよいだろう。法人向けに継続して安定供給を行う必要があるため、発表されたばかりの最新CPUは(供給状況が不透明なため)採用しにくいという理由もあるようだ。
店頭モデルのCPUは、Core i5-5200U(S11はCore i3-7100Uモデルもある)だが、直販モデルはCore i7やCeleronまで選べる。今回の評価機は、S13もS11も上位グレードのCore i7-7500U(2.7GHz/最大3.5GHz)を採用していた。
メモリはLPDDR3 SDRAMを採用する。店頭モデルは8GBまたは4GBだが、BTOでは最大16GBまで選択可能だ。モバイルノートPCとしては大容量が可能で、特にS11のサイズと重量で16GBメモリを搭載できるのは貴重だ。
データストレージは、SSDを3種類から選べる。1TBまたは512GBのMLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードプロSSD)、256GBのTLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードSSD)、そして256GBまたは128GBのSerial ATA SSDと、必要に応じて選べるのがありがたい。評価機はS13、S11ともSerial ATA SSDを採用していたが、VAIOによれば第三世代ハイスピードプロSSDはシーケンシャルリードで約6倍、ライトでも約3倍高速という。
各種ベンチマークテストの結果を掲載する。評価機はいずれもプロセッサがCore i7-7500U、メモリが16GB、ストレージが128GBのSerial ATA SSD、OSがWindows 10 Proだ。
目新しいスペックのモデルではないため、個々のテスト結果のコメントは割愛するが、総じて第7世代Coreプロセッサ搭載モデルとして想定通りのスコアが得られた。薄型軽量ボディーで性能が十分引き出せないといったことはない。幅広い業務でストレスなく利用できるだろう。
より高速なレスポンスを求めるならば、割高にはなるが、MLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードSSD)やTLC PCI Express SSD(第三世代ハイスピードSSD)などの選択肢も検討したい。
公称のバッテリー駆動時間はS13が約11.7時間、S11が約15時間となっている。実測の駆動時間はBBench 1.01(海人氏・作)を利用して測定した。Windows 10の電源プランは標準の「バランス」、無線LANで常時接続した環境で行った。BBenchの設定は、60秒間隔でWebサイト巡回(10サイト)、10秒間間隔でテキスト入力(10文字)を行う内容とした。
バッテリー満充電の状態から残量5%で休止状態へ移行するまでの駆動時間はS13が9時間21分、S11が9時間12分だった。今回のテストでは、液晶ディスプレイが大きく、バッテリー駆動時間の公称値が少し短いS13の方がわずかに長く駆動するという逆転が起きたが、いずれにしても優秀な駆動時間ではある。
付属の40ワットACアダプターはS13、S11で共通だ。5ボルト、1.0アンペア出力が可能なUSB給電端子を搭載し、スマートフォンなどを充電できる。実測でのサイズは38(幅)×105(奥行き)×27(高さ)mm(突起部を除く)、重量が本体のみで191g、電源ケーブル込みで234gと小型軽量で、一緒に持ち歩いても邪魔になりにくい。
S13、S11はプロセッサ放熱用のファンを内蔵しているが、どちらも動作音は静粛だ。アイドル時は静かな部屋で意識すれば分かるというレベル。高負荷時もファンノイズが特に耳障りな印象はない。低負荷時はS13の方が若干静音な印象だが、高負荷時は大差がなかった。
VAIO S13/S11騒音テスト結果 | ||
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製品 | VAIO S13 | VAIO S11 |
アイドル時 | 33.1dB | 33.8dB |
低負荷時(Webなど) | 33.3dB | 34.8dB |
高負荷時(3DMark/SkyDiver) | 40.8dB | 40.9dB |
パームレストの手前5cmから測定。暗騒音32dB、室温26度 |
排気口は左側面とボディー奥のヒンジ部分にあり、発熱もその辺りが中心だ。S13に比べるとS11の方が少しキーボードの温度は高いものの、手がよく触れるパームレストに不快な熱を持つことはなかった。
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