Ignite 2017で発表された話題のうち、最もホットで内容が盛りだくさんだったものの1つが「OneDrive」に関するアップデートだ。新機能のうち、幾つかを紹介する。
Windows 10の次期大型アップデート「Fall Creators Update(1709)」は10月17日に一般ユーザー向けの提供が開始されるが、目玉機能の1つとして「Files On-Demand」が挙げられる。OneDriveのクラウドに保存したファイルを必要に応じてダウンロードして利用できる機能で、ローカルストレージの容量を抑えられる利点がある。
これに伴い、Windows 10単体で追加のアプリケーションを導入することなく270種類以上のファイルをプレビュー可能になるのも大きなポイントだ。例えば、Adobe IllustratorのAIファイルなども、同アプリケーションのインストールなしにプレビューでき、アイコンサイズを拡大して整理するのに役立つだろう。この機能はもともとOneDriveのWebアプリケーション上で提供されていたものだが、これがデスクトップOSにも展開される。
OneDriveはWeb版のUIも大幅に変更される。外見上の変化はもちろんだが、新規ファイルやフォルダがハイライトされて区別しやすくなっている他、どのコンテンツが誰と共有され、さらに誰によってアクセスされているかといった情報が、新実装のPeople CardやInfo Paneを通じてクリック1回で確認可能だ。
また地味な変更だが、OneDrive Web UI上での共有操作とWindowsおよびMacでの共有操作が共通化され、非常にシンプルな方式となっている。Office 2016向けには今後数カ月以内に共通方式の実装が行われるという。
個人的にうれしい変更点としては、Web UI上でZIPファイルをダウンロードすることなく中身をプレビュー可能になったことと、外部ユーザーにファイルを公開する際にワンタイムパスワードを生成可能になったことが挙げられる。
特に後者について、これまではMicrosoftアカウント(MSA)を通じてアクセス制御を行うか、永続的なアクセス権を与えるURLを生成して相手に渡すという手段の2種類しかなかった。サンプル画像によれば、15分間のみ有効な8桁数字のパスワードを生成しており、少しセキュリティレベルの高い形でのファイルの外部公開が可能になっている。
この他、以前にも触れた履歴機能による過去のファイルの復活機能が追加されている。Microsoft 365を絡めた管理ツール連携など、ITプロフェッショナル向けの管理機能も大幅に拡充されており、特に企業ユーザーの利用で重宝するはずだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.