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» 2018年03月01日 13時00分 公開

「肉の隣にタレ」商法はPC売り場でも通用するのか牧ノブユキの「ワークアラウンド」(2/2 ページ)

[牧ノブユキ,ITmedia]
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PC本体の値引き代わりにおまけでつける場合も

 以上の2つが大きな理由だが、実際には店頭の在庫は完全に滞留しているわけではなく、少なからず回転している。売れていないのになぜ在庫に動きがあるのかというと、PC本体の販売時にユーザーに無償提供するケースがあるからだ。

 どういうことか説明しよう。家電量販店では、PCなど高額な製品は、一定の金額までは店員の裁量での値引きが認められている。しかし当然ながら限界はあり、もうあと1歩というところでライバル店の価格に負け、売り上げを逃してしまうことも多い。店員にとってはそれまでの接客が水の泡になってしまうわけで、実にやりきれない。

 こうした場合の裏技が、PC本体を値引きするのではなく、アクセサリーを無料で付けるという手法だ。つまりPCとアクセサリーを合計した額からさらに値引きを行うという形で、客にアピールするわけである。

 ユーザーからすると、いずれ購入しなければいけないであろうアクセサリーがタダでもらえるとなると、一時的に判断能力が下がる。冷静に考えればPC本体を値引きしてもらったほうがオトクであることがほとんどなのだが、こうした予想外の特典が現場で追加されると、このチャンスを逃すのはもったいないかも……と、グラグラッと心が揺らいでしまうのだ。

 当然、本来売られているものを無料で付けるとなると、仕入価格の分だけ家電量販店の持ち出しとなるわけだが、もともとこうしたアクセサリーの単価はPC本体に比べると安価であり、PCの販売実績が上がるとなれば、会社からのおとがめもあまりない。限度額を超えてPC本体を値引きすると始末書モノだが、こちらは(量販店にもよるが)販売のテクニックとして認められている節がある。

 一方、アクセサリーメーカーにとっては、放っておいても在庫が回転するわけで、こんなにありがたい話はない。それゆえ、いざというときに店員が手に取りやすいよう、そのPCへの対応が確認されているアクセサリーを「何かあればこちらをどうぞ」とばかりに、あらかじめ近くに並べておくわけだ。

 値引きの制限を守りつつPC本体を売りたい店員、アクセサリーの在庫をさばきたいアクセサリーメーカー、どちらにとってもメリットがあるというわけだ。

 以上のような理由から、PC本体の近くに関連アイテムを陳列する手法は、販売店にとってもメーカーにとっても効果的な販売手法として急速に普及し、現在に至っている。どのアクセサリーメーカーの製品が並んでいるかによって、その家電量販店との蜜月ぶりが分かったりもするので、PC売場に足を運ぶことがあれば、そうした点をチェックしてみても面白いだろう。

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