Intel、CPU統合GPUでマルウェアスキャンが可能に CPU負荷と消費電力を低減

» 2018年04月17日 18時30分 公開
[ITmedia]

 米Intelは4月16日(現地時間)、同社製プロセッサの新たなセキュリティ技術「Threat Detection Technology(TDT)」および「Security Essentials」を発表した。

Security Essentials 「Security Essentials」

 TDTは、「Accelerated Memory Scanning」と「Advanced Platform Telemetry」の2つで構成される。

 Accelerated Memory ScanningはシステムメモリのマルウェアスキャンをCPUに統合されたグラフィックス機能(統合GPU)で実行する機能。これまではCPUで実行していたが、統合GPUを使うことで、より多くのスキャンが可能になるとともに、パフォーマンスや消費電力への影響を抑えられる。これにより、CPU使用率は従来の20%から最小で2%まで下がり、消費電力も下がる。Microsoftの「Windows Defender Advanced Threat Protection(ATP)」が同技術に対応する。

 Advanced Platform Telemetryは、プラットフォームに備わった遠隔監視を行うテレメトリー機能と機械学習アルゴリズムを組み合わせることで、セキュリティ上の脅威の検出精度を向上しつつ、誤検出を減らしてパフォーマンスへの影響を最小化する。Cisco Systemsのデータセンター管理プラットフォーム「Cisco Tetration」が、これらの機能を活用する最初の製品になる予定だ。

 Security Essentialsは、Core、Xeon、AtomといったIntelプロセッサ全体にわたって共通化されたハードウェアベースのセキュリティ機能群を提供するもの。セキュアブート、データや暗号鍵などを用いたハードウェア保護、暗号化、アプリケーション実行時における信頼された実行領域などの機能を提供する。

 なお、今回のセキュリティ強化は、2017年1月に発表されたプロセッサ脆弱(ぜいじゃく)性の「Spectre」と「Meltdown」を解決するためのものではない。

関連キーワード

CPU | Intel | セキュリティ


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー