富士通とLenovo Group Limited、および日本政策投資銀行の合弁会社である富士通クライアントコンピューティング(FCCL)は5月16日、PC関連事業の開始を発表した。
2017年11月に発表された戦略的提携は、富士通の開発・製造・販売力とLenovoの持つ世界的な部材調達力を生かして、グローバル市場での競争力を高めるのが狙い。事業の開始にあたって富士通クライアントコンピューティングの齋藤社長が改めて今後の戦略を説明した。
繰り返し強調されたメッセージは、「Made in Japan」と「顧客視点での製品・サービス」の提供だ。齋藤氏は「モノ作りにこだわった情熱品質を発信し続ける。37年間かけて築いてきた財産を手放すことはしない」と述べ、川崎で製品開発を行い、島根と福島で製造する体制は維持し、ブランドや製品ポートフォリオ、販路、サポート体制もこれまで通りであることを強調した。Lenovoとの提携を“結婚”に例えてはいるが、当面はLenovo側による部材調達などバックエンドでの協業にとどまるようだ。
また、将来的な展望として、AIやエッジコンピューティングへの投資を積極的に行っていくことを明らかにした。発表会では、プライバシー保護やセキュリティの観点から、クラウドのコンピューティングパワーが身近に必要になると説明し、ワークステーション10台分の性能を想定しているというエッジAIプラットフォーム「Infini-Brain」を発表。教育現場での活用法や同社の音声パーソナルアシスタント「ふくまろ」と連動する構想を語った。
「DAY 1と名付けた今日の発表会は、もっとお客さまに寄り添い、FCCLがお客さまに何ができるかを一丸となって追求していく決意表明の日と位置付けた。Day 1000にはFCCLのさらなる進化を伝えたい」(齋藤氏)。
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