ベンチマークテストの結果を見よう。評価機のスペックは、CPUがCore i7-6700HQ、グラフィックス機能がNVIDIA GeForce GTX960M(2GB)とIntel HD Graphics 530のハイブリッド、メモリが16GB、メインデータストレージは256GB SSD、OSはWindows 10 Home(64bit)という内容だ。
CINEBENCH R15のCPUスコアは、973。1年前のバリバリのハイエンドであるCore i7-7700K搭載のデスクトップPCに匹敵するスコアだ。6コア・12スレッドはだてではない。
Premiere Pro CC 2018のエンコードテストでもその実力ははっきりと発揮されている。一世代前のCore i7-7700HQを搭載したゲーミングノートPC(メモリ16GB、256GB SSD、GeForce GTX1050搭載)よりも約25%高速だ。
その他、PCMark10、3DMarkといった定番テストの結果も掲載しておく。3DMarkやFINAL FANTASY XIV:紅蓮のリベレーターベンチマークでは、「GeForce MX150の3D描画性能は、Intelの内蔵GPU(Intel HD Graphics 620)の約4倍」というNVIDIAの主張はほぼ合っているといえるスコアが出ている。カジュアルゲームであれば快適に、描画負荷が高めのタイトルでも画質を落とせばプレイできると思われる。
据え置き型だが、バッテリー駆動時間も計測した。テストはディスプレイ最大輝度の状態でbbench 1.01(海人氏・作)を利用し、10秒間隔でテキスト入力、60秒間隔でWebサイト巡回(10サイト)という設定で測定した。
動作時間は、残り20%までで4時間38分、残り10%まで5時間18分。別の部屋で小一時間動画を見るくらいならばACアダプターを一緒に持たなくてよさそうだ。万一の停電の時などでも心強いだろう。
高性能だが、アイドル時やWeb動画視聴時などの低負荷時は、排気口に耳を近づければファンの音が分かるという程度。エンコードなど6コア全部に負荷がかかるような処理ではさすがに大きな音になるが、仕方がないところだろう。ユーティリティーでファンを最大に回す選択肢が用意されている点はうれしい。これからの季節は重宝するはずだ。
本製品の魅力はやはり充実の基本スペックとコストパフォーマンスだ。6コアになったパワフルな最新CPUを搭載しており、メモリ16GB、SSD+HDDのデュアルストレージ、さらにNVIDIA GeForce MX150を搭載する。
クリエイター向けのDAIVシリーズなど、より高価なモデルと比べると液晶ディスプレイやキーボードにコストダウンの形跡を感じるが、ベンチマークテストで示したように、ビジネス、クリエイティブ、ゲームまで、幅広い用途に対応できる性能を持っている。
今回の評価機であるm-Book K690XN-M2SH2の価格は、Windows 10 Home(64bit)搭載モデルで11万9800円(税別)だ。上記の内容を考えれば、コストパフォーマンスは上々。処理性能の高いノートPCを求めているユーザーにとって、要注目の製品といえるだろう。「これからPCでいろいろやりたいけれど、目的はどれと決められない」といった入門者にぴったりの製品だ。
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