「高級キーボード」と聞いて思い浮かべるのは何だろうか。少々この世界に知る人なら「REALFORCE」や「Happy Hacking Keyboard」(以下、HHKB)が真っ先に上がるだろう。
今回レビューする「REALFORCE R2 TKL PFU Limited Edition」はそんな「REALFORCE」シリーズを手掛ける東プレと「HHKB」シリーズを手掛けるPFUの最強タッグによる異色のコラボ製品だ。
(関連記事:REALFORCEに限定モデル 東プレとPFUが協業)
余談だが、もともと東プレは「HHKB Professional」シリーズのキースイッチや基板の部材を供給している。ある意味立場が逆転したともいえる本製品はどのような一品に仕上がっているのだろうか。
高級キーボードとして有名な「REALFORCE」シリーズだが、「REALFORCE R2」という名前を聞くのは初めてという方もいるのではないだろうか。
「REALFORCE R2」は2017年10月に発売した“第2世代”のREALFORCEシリーズだ。
「静電容量無接点方式」によるトップクラスの耐久性と使い心地はそのままに、デザインとレイアウトが刷新され、時代の流れをキャッチアップしてきている。
従来通り静音モデルも用意されており、打鍵音が気になる場所でも安心して使えるのがうれしい。
さらに「静電容量無接点方式」の特徴を生かし、「APC」(Actuation Point Changer)機能対応モデルも用意した。APC機能はキーの入力を判定する静電容量値のしきい値を変更し、入力に必要なストロークの深さを調整できる機能だ。
対応モデルにはキーの押し下げを制限するスペーサー(2mm厚、3mm厚)が付属しており、APCの設定と合わせることでストロークを浅くしてさらなる高速入力を行える。
では「REALFORCE R2 TKL PFU Limited Edition」について見ていこう。
まずひと目で違うと分かるのは右上のインジケーター部分だ。カーボン調の落ち着いたデザインが控えめながらも確かな高級感を醸し出している。
「REALFORCE」シリーズといえば、キーによって30g、45g、55gと荷重(※)の違う「変荷重」が有名だが、本機は全て45gとなっている。これはPFUの「HHKB Professional2」と同様で、HHKBユーザーを意識した仕様だ。
(※荷重:押下時に加える重さ。変加重では小指で入力するキーを軽くするなど設定されている)
その他、本機は静音モデルと同等の静音機構を備え、前述の「APC」機能も採用した“全部入り”仕様となっている。キーキャップも全てかななし昇華印刷となっており、最高級仕様といえる。
肝心の使い心地だが、これは言うまでもないだろう。スムーズかつ確かな打鍵感で、文字を打つのが楽しくなる。
日本語配列でもスペースバーが大きくなったことで、より使い勝手が良くなった。ただこれは人によって好みが分かれるポイントかもしれない。
一点だけ不満を上げるならば、スペーサーを入れたときの打鍵感があまりよろしくないことだ。とはいえ、そう感じたのは最厚である3mmのスペーサーを入れた時だけ。これは「REALFORCE R2」シリーズに共通していえることで、APC機能を利用するならば仕方がないことかもしれない。
「REALFORCE R2」シリーズは本家東プレからも多くの製品がラインアップされているが、テンキーレスかつALL45gで全部入りなのは本機だけ。
HHKBファンにとどまらず、この仕様の「REALFORCE R2」を求めていた人にとってはマストバイな一品だ。
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