近年は録画データを機器本体ではなく、クラウドに保存するタイプのネットワークカメラが増えつつある。ネットギアの「Arlo Q(アーロ・キュー)」もそうした製品の一つで、スマートフォンから遠隔視聴できるクラウド型のネットワークカメラだ。同社は「スマートホームセキュリティカメラ」と呼んでいる。
Amazonの「Works with Alexa」認証を取得しているこの製品、最近ではディスプレイ搭載スマートスピーカー「Amazon Echo Spot」とのセット販売も行われているので、ご存じの方も多いだろう。
Arlo Qは、こうした製品の中では最安値クラスとなる実売価格1万円台半ば(税別)で入手できる点に注目したい。加えて、録画プランが有料オプションではなく、7日以内および容量1GB以内であれば無料で提供されることが大きな特徴だ。
このカメラ、筆者はEcho Spotとセットでオーダーし、約1カ月間先行して使用することになったのだが、結論から言うとなかなかのスグレモノである。Echo Spotとの連携機能はいずれ別記事で紹介するとして、今回はArlo Q単体にフォーカスし、ハードウェアの特徴や設定方法、さらに同等製品と比較しての特徴や活用方法をチェックしていく。
Arlo Qの形状はネットワークカメラとしては一般的で、ボールジョイント式のアームを動かすことで角度を自由に調整できる。台座部分には強力なマグネットを内蔵しており、据え置き設置の他、スチール面に吸着させることも可能だ。
解像度はフルHD(1080p)で、ネットワークカメラに多くみられるVGAクラスの製品とは一線を画するクオリティーだ。また視野角も130度と広い他、赤外線LEDを用いての暗所での撮影にも対応している。さすがに1万円台という価格故に防水機能はなく、屋外での利用には対応していない。
USBケーブルは給電用途で、データの送信は全てWi-Fiで行う。Wi-Fiは2.4GHz帯だけでなく5GHz帯(IEEE 802.11n)に対応しているので、2.4GHzが混んでいる環境でも、安定した映像の送信に効果がある。IEEE 802.11acには対応していないものの、いまだ2.4GHz帯でしか利用できない一般的なネットワークカメラとは、一線を画する印象だ。
セットアップはスマホを用いて行う。ステップ数はやや多いが、それは分かりやすさを重視しているからで、煩わしさは感じず、初心者でも問題なく行えるはずだ。
他社製品と比べると、本体のボタンを押したり、スマホに表示されたQRコードをカメラで読み取ったりすることで、アプリ画面へのシリアルコード入力などの煩わしい作業を極力省こうという意図が感じられる。
以下、セットアップの主要画面を抜粋して紹介する。

アプリは日本語化されている。今回は初めての使用になるので「初めてArloを使いますか?」をタップして次へ進む(画像=左)。リストから機種を選択した後、カメラの電源を投入してLEDが点灯したら次に進む(画像=右)
アカウント登録を行った後にプランを選択する(画像=左)。プランは後でも変更できるので、ひとまず今回は無料のBasicプランを選択。以上でセットアップ完了(画像=右)。アプリのホーム画面に戻ると画面が表示されているCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.