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» 2018年10月16日 06時00分 公開

無線LANで実測1Gbpsオーバーは可能なのか? G-Tuneで検証

1.73Gbpsの高速無線LANモデルは実際にどのくらいの速度が出るのだろうか。試してみた。

[瓜生聖,ITmedia]

 マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE」シリーズには、BTOカスタマイズにより、無線LANの通信速度(理論値)を1.73Gbpsにグレードアップできるモデルがある。しかし、環境にもよるが無線LANの理論上の最高速度は実測速度とは大きく異なるのが常。実際にはどれくらいの速度が出るのか測ってみた。

高速無線LANのオプションが選べるG-Tuneブランドの「NEXTGEAR-NOTE i5330SA1」

プラス3800円で“ギガオーバー”無線対応ノートPCに

 今回は高速無線LANノートとしてマウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE i5330SA1」を試用する。Core i7-8750、GeForce GTX 1050を搭載しながら公称約8時間というバッテリー駆動時間を誇るゲーミングノートPCだ。ベーシックな構成のブロンズモデルで10万9800円(税別)と、性能と価格のバランスに優れるコストパフォーマンス志向の製品である。1.73Gbpsの無線LAN環境を実現するためには、ベースモデルの無線LANを「インテル Wireless-AC 9560」(+3800円)に変更ればよい。

Netgear i5330SA1のBTO画面。+3800円で1Gbpsオーバーの無線の世界へ

 NEXTGEAR-NOTE i5330SA1の1.73Gbpsの無線LANは、IEEE 802.11ac wave2(拡張規格)のオプション機能である「HT160」で実現される。

 802.11acが使用する5GHz帯で利用できるチャンネルは、36〜64chの8チャンネルと100〜140chの11チャンネル、合計19チャンネル(番号は4の倍数)ある。これらは便宜上、36〜48chのW52、52〜64chのW53、100〜140chのW56の3つに分類されている。

 それぞれのチャンネルには20MHzの周波数帯が割り当てられているが、これを8チャンネルまとめて160MHzの幅にしよう、というのがHT160の考え方だ。束ね方としては連続した4チャンネルを2つ使用するパターン(80+80)と、連続した8チャンネルを使用するパターン(連続160)の2つがある。80+80の場合はW52、W53、W56の前半・後半から2つを選択、連続160の場合はW52+W53か、W56のいずれかということになる。

 厄介なのはHT160対応のアダプターや無線ルーターでも、80+80か連続160のどちらか1つしか対応していない場合がほとんどだということだ。Wireless-AC 9560は連続160のみなので、無線ルーターも連続160に対応したものを選択する必要がある。今回はNETGEAR製プロゲーミングルーター「Nighthawk X4S R7800」を使用した。

NETGEAR製プロゲーミングルーター「Nighthawk X4S R7800」

 測定には、ネットワーク帯域ベンチマークソフト「iperf3(3.1.3)」を使用し、R7800のLANポートに接続したPCと、HT160を有効にして802.11acで接続したNEXTGEAR-NOTE i5330SA1間を測定した。測定環境は、サーバ側がCore i7-7700、16GBメモリ、Windows 10 Proを搭載するシステム、クライアントはNEXTGEAR-NOTE i5330SA1だ。

5GHz帯のモードを「最大1733Mbps」に変更
HT160を有効にする

 無線チャンネルにはW52+W53を選択、iperf3で10秒間計測してその間の最高速度、平均速度をプロットしている。1接続当たりの最高速度は450Mbps程度だが、同時接続数を増やしていくと1接続当たりの速度は低下するものの、全体スループットとしては向上しており、同時接続数4〜6で900Mbpsオーバーとなった。

1.7Gbpsでリンク
1接続当たりの速度は450Mbps程度だが、全体では900Mbpsを超える
測定中のパフォーマンスモニター。スループットで900Mbpsと400Mbpsの間を上下している

 また、無線チャンネルにW56を選択した場合の結果は次の通りだ。

無線チャンネルにW56を選択した場合の結果

 W56の方では特異点的にパフォーマンスに落ち込みが出ていることが分かる。W53、W56では気象レーダーなどへの干渉を避けるため、レーダーを受信したらチャンネルを譲らなければならない(DFS:Dynamic Frequency Selection)。今回の検証中にその影響を受けた可能性もある。

1Gbps超えならずも速度は十分

 1Gbpsには達しなかったものの、無線で900Mbpsオーバーはかなりの好成績といえる。R7800の有線LANは1Gbpsの1000Base-Tなので、このあたりが環境全体としては実質的な上限かもしれない。

 ただ、現時点で1.73Gbpsの無線LAN環境をイチから整えるのは、対応ルーターが少ないこともあって、少しハードルが高い。高速な無線LAN通信は魅力的だが、BTOオプションによるWireless-AC 9560の選択は、費用対効果や将来性も含めて検討してほしい。

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