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» 2018年11月06日 20時00分 公開

本田雅一のクロスオーバーデジタル:新「MacBook Air」を検証して分かった“8年ぶり刷新”の成果 (2/4)

[本田雅一,ITmedia]

体験の質は「画面サイズの大きいMacBook」

 次は2つ目の視点だ。新しいMacBook Airは、そのデザインやくさび形の形状、ディスプレイの質や冷却のための通風口がほとんど見つからないクリーンな外観など、使い続けていると「画面の大きい12型MacBook」というフィーリングに変わる。

 キーボードに関しては、12型MacBookが第3世代のバタフライ構造へと更新されていないため、キータッチが明らかに異なる(MacBook Airの方が底突きがソフトで押下音も少し小さい)が、搭載する液晶ディスプレイの質はMacBookそのもの。ほぼ同じ解像度(画素密度で1ppiしか違いがない)、表示品質だ。

MacBook Air 13.3型の液晶ディスプレイは解像度が2560×1600ピクセル(227ppi)。12型MacBookは2304×1440ピクセル(226ppi)だ。画素密度、発色、輝度といった表示品質はほぼ同じだ

 一方、MacBook Proに搭載されているディスプレイとの差は小さくない。MacBook、MacBook Airの2つと、MacBook Proのディスプレイには、大きく分けて3つの違いがある。

 まずは「True Tone」への対応。環境光センサーで設置場所の色温度を読み取った上で、周囲と馴染む色温度に画面表示を合わせるTrue Toneは、MacBook Proだけのものだ。iPhoneやiPadに慣れているならば、ノートパソコンでも同様の環境を手に入れたいと思うかもしれない。筆者自身、MacBook Proの最新モデルを使った際に「これはいい」と感心した部分である。

 次は色再現範囲。MacBook Proはデジタルシネマ規格のP3をデジタル機器向けに転用した「Display P3」に対応しているが、MacBookとMacBook AirはsRGB対応のディスプレイだ(なおインストールされているカラープロファイルを見る限り、色再現域はsRGBよりも広く100%以上をカバーしていると推察される)。

 現在のApple製品、例えばiPhoneはディスプレイはもちろん、内蔵カメラもDisplay P3に対応しているため、iPhoneで撮影した写真の色を最大限に生かせる他、より広い色域を扱える4K映像作品の再生時にも有用だろう。もちろん本格的な写真編集を行う上でも役立つ。

 もっとも、一般的なモバイルパソコンを見回してみると、その多くはsRGBさえ満足に再現できていないものも多い。これはコスト面での選択もあるが、電力消費を抑えるために、あえてカラーフィルターを薄くしている場合もあるからだ。

 新しいMacBook Airは従来比で48%の色再現域拡大を実現しているというが、これも以前のMacBook Airの色再現域が狭かったから。そうした観点からいえば、カメラのJPEG記録時の絵作りや、大多数のWebコンテンツを含め、sRGBはいまだに業界標準であり続けている。

 従って、色再現範囲を広げることによる消費電力増加といったトレードオフも考えるならば、リーズナブルな設定ではないだろうか。

 最後に最大輝度もMacBook Proの方が高い。MacBook Proが500nitsに対して、MacBook Airの最大輝度は300nits。ただし、こちらも300nitsだから不足しているという話ではないことに注意したい。両者の違いが生きてくるのは、恐らくHDR(High Dynamic Range)映像の確認や、屋外の明るい場所における視認性といった部分での違いだろう。

 300nitsという数字は、モバイルパソコンとしてはかなり高いものだ。HDRで製作された映像作品を楽しんだり、HDR映像の階調を確認したりといった場合にはMacBook Proの方がベターだが、一般的な用途では300nitsで不足はない。HDRの映像制作用モニターとして使う場合は1000nitsが必要なため、いずれにしろ外部ディスプレイを利用する。

MacBook Air MacBook Airと13.3型MacBook Proのディスプレイ仕様比較(Appleの公式サイトより)

 プロフェッショナル向けに性能を最適化したディスプレイがMacBook Proには搭載されているため、MacBookファミリー全体のラインアップでは見劣りするように感じるかもしれないが、新しいMacBook Airには一般的なノートパソコン用として最高レベルの品質を持つ、よく調整されたディスプレイが搭載されているということだ。

 液晶ディスプレイはノートパソコンの中でも、消費電力に最も大きな影響を与えるコンポーネントである。MacBook Airはここを「必要十分」の仕様にしていることが、結果的に50.3Whのバッテリーで公称約12時間(58Whバッテリー内蔵のMacBook Proに比べ20%長持ち)という結果をもたらしていることは忘れてはならないポイントだろう。

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