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» 2018年11月06日 20時00分 公開

新「MacBook Air」を検証して分かった“8年ぶり刷新”の成果本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/4 ページ)

[本田雅一,ITmedia]

MacBook Airという製品のバランス感覚

 さて、こうした2つの視点から位置付けを確認した上で考えるMacBook Airの価格設定(税別13万4800円から)は、継続販売される旧モデルを除くMacBookファミリー全体の中からすると、なかなかリーズナブルではあるが、一方で悩ましい部分もある。

 例えば、12型MacBookは画面サイズだけでなく機能面でも最新世代ではないが、1.3GHzのCore i5、512GBのSSDを搭載したモデルからメモリを16GBに増やすと、19万7800円(税別、以下同)となる。しかも、12型MacBookのプロセッサは第7世代Intel Coreだ。一方、新しいMacBook Airを16GBメモリ、512GB SSDにすると20万800円になり、3000円の追加で購入できる。MacBook Airのプロセッサは第8世代Intel Coreだ。

 よほど1kgを切る軽量ボディーにこだわりがない限り、MacBook Airを選択することに論をまたない。パフォーマンス、拡張性(12型MacBookは速度が半分のUSB-Cを1ポートしか持たない)、画面の広さ、内蔵スピーカー、「Apple T2」チップ非搭載(HEVCエンコードアクセラレータやストレージ暗号化、セキュアブート、Touch IDへの対応に関連する)などの差分を考えれば、この対比で悩む人はいないだろう。

MacBook Air 新しいMacBook Airは、左側面にThunderbolt 3(USB-C)を2ポート搭載。充電、DisplayPort、Thunderbolt(最大40Gbps)、USB Type-C 3.1 Gen 2(最大10Gbps)の機能を集約している
MacBook Air 右側面の奥にはヘッドフォン端子を搭載

 一方で悩ましいのは、13.3型MacBook Pro(Touch Barモデル)が、メモリとSSDを同様の構成にすると24万2800円から購入できることだ。余裕のあるメモリ容量とSSD容量で使いたいのであれば、MacBook Proの方が断然、お得感が出てくる。

 13.3型MacBook Pro(Touch Barモデル)は、2.3GHzクアッドコアのCore i5に加えて、内蔵GPUにIntel Iris Plus Graphics 655を採用。ベンチマークテストのGeekbench 4.0でGPU演算性能テスト(OpenCLでのテスト)を実行すると、46609のスコアだ。内蔵GPUにIntel UHD Graphics 617を採用したMacBook Airのスコアは19786にとどまる。

 さらにSSDのパフォーマンスでいうと、13.3型MacBook Pro(Touch Barモデル)はMacBook Airの読み出し速度で約2倍、書き込み速度で4倍程度のアドバンテージを持つ。なお、念のため付け加えておくと、これは2018年モデルのMacBook Proが異様に高速というだけで、MacBook AirのSSDが遅いわけではない。

 Blackmagic DesignのDisk Speed Testによるストレステストの結果を掲載するが、書き込み速度は毎秒約500MBと凡庸ではあるものの、読み出し速度は毎秒1.8GBを超えていた(余談だが手元にある2015年モデルの12型MacBookは書き込み毎秒約50MB、読み出し毎秒約400MBだ)。

MacBook Air Blackmagic DesignのDisk Speed Test結果

 しかし、MacBook Airはそうした評価軸とは別のバランス感覚で企画されている製品だと思う。テスト中、連続で高画素(フルサイズミラーレス「EOS R」で撮影)のRAW現像を行ってみたり、「iMovie」での動画書き出しを行ってみたりといった重い処理をしたが、一貫して快適性が保たれ、発熱や冷却ファンの音に悩まされることはなかった。

 このようなパフォーマンスと価格の関係、それにディスプレイの質なども合わせて考えるならば、軽量でカラーバリエーションが広く、スタイリッシュで価格も安いMacBook Airは魅力的だ。一方でメモリが16GB、SSDが512GB以上といったハイスペック寄りになると、MacBook Proが気になってくる。上記構成の場合、その差は4万2000円。この差を大きいと感じるか、小さいと感じるかは人それぞれだろう。

 学生が初めて手にする道具として、あるいはビジネスパーソンが自分のための道具として買いそろえるならば、MacBook Airの方が価格面も含めてバランスのよい選択肢となるだろう。

 また今回、久々に128GBのSSDという最小容量のノートパソコンを試用したが、現在のmacOSは「iCloud」と連携し、文書や写真をとても賢く管理してくれる。普段の使用環境をそのまま移すことはできなかったが、アプリとシステムの設定をバックアップから復元し、Apple IDを入力すると残容量を勘案しながらOS側が適切にiCloud Driveにある写真や文書、デスクトップ上のアイテムを含めて文書の実態とリンクを配置してくれたため、あっという間に日常的な操作環境を再現できた。

MacBook Air 筆者の環境で「iCloud」との同期が進んだ結果。もともと512GBのSSDで運用していた環境を移したというのに、クラウド連携により128GBでも使いものになるとは……

 もちろん、容量が大きいに越したことはないが、クラウドストレージサービスとの連携でSSD容量を節約したり、音楽サービスがダウンロードではなくストリーミングに移行したりしている背景も考えれば、128GBモデルも悪くない選択肢だ。

 さて、ここまで読み進めてきて、それでもやはり最終的にプロセッサのパフォーマンスが気になるという読者は少なくないと思う。ということで、最後に少々マニアックではあるが、パフォーマンステストの結果に関する考察を付け加えておきたい。

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