24コアと12コア、買うならどちら? 第2世代「Ryzen Threadripper」性能比較(1/3 ページ)

» 2018年11月21日 18時26分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

 AMDの第2世代「Ryzen Threadripper」は4モデルがラインアップされているが、発表間もなく登場した「2990WX」と「2950X」に続き、10月末には「2970WX」と「2920X」も発売された。今回は2970WXと2920Xのパフォーマンスを見ていく。

 第2世代Ryzen Threadripperは、クリエイター向けの「WX」、ゲーマー向けの「X」がラインアップされている。今回取り上げるのは両シリーズの下位モデルだ。下位とはいえ、2970WXは24コア・48スレッドと第1世代Ryzen Threadripperよりもコア数が多く、2920Xも12コア・24スレッドとSocket AM4向けRyzenよりもコア数が多い。エンスージアスト向けのCPUだ。

Ryzen Threadripper 2920X(上)と2970WX(下)
型番 コア・スレッド 定格クロック 最大クロック L1 L2 L3 メモリ TDP
2990WX 32C・64T 3GHz 4.2GHz 3MB 16MB 64MB DDR4-2933 250W
2970WX 24C・48T 3GHz 4.2GHz 2.25MB 12MB 64MB DDR4-2933 250W
2950X 16C・32T 3.5GHz 4.4GHz 1.5MB 8MB 32MB DDR4-2933 180W
2920X 12C・24T 3.5GHz 4.3GHz 1.12MB 6MB 32MB DDR4-2933 180W

 2970WXと2990WXを比べてみると、コア・スレッド数やそれに伴うL1、L2キャッシュが異なるものの、動作クロックやL3キャッシュ、メモリのサポートやTDPは同じだ。この点で、下位モデルだからと言ってマザーボードや電源へのニーズが引き下げられることはない。よいマザーボード(特にVRM周り)と、よい電源(+12Vの安定性と十分な出力)が求められる。

CPU保護ケースと内部に収められたCPU

 2920Xと2950Xの違いもおおよそ2990WXと2970WXの関係と似ているが、最大クロック側は2920Xの方が100MHz低い。とはいえ、TDPは180Wなので、ここも2950X並みのシステムが求められる。

WXシリーズではDynamic Local Modeが利用可能になる

 WXシリーズでは、今後「Dynamic Local Mode」(DLM)が利用可能になる。この機能はRyzen Masterを導入することで利用できるが、現時点で配布されているバージョンではまだ対応しておらず、レビュワー向けに専用版が配布されているのみ。このRyzen MasterはまだUIが確定されておらず、DLMはWindowsのサービスとしてオン・オフを切り替えられる。

DLMの動作をWindows 10のサービス画面から確認

 DLMは最も負荷の大きいスレッドに、コアとローカルメモリを優先割り当てする機能とされる。WXシリーズでは4つのダイから成り、メモリコントローラーとPCI Expressレーンはそのうち2つのダイの機能を利用している。ダイ内のCCX同士はInfinity Fabricで結ばれているが、少なからずレイテンシが存在する。CCXとメモリ上のデータが離れた場所にある場合、このレイテンシがパフォーマンスに影響する。DLMはそのスレッドのあるCCXとメモリの距離が近くなるよう再配置することでレイテンシを短くする機能だ。

Ryzen Threadripper WXシリーズでは、この図の通り4つのダイそれぞれがInfinity Fabricで結ばれており、うち2ダイからメモリにアクセスする。該当スレッドとメモリが分かれた場合、Infinity Fabricを経由する分レイテンシが生じるので、DLMでこれを解消しようというわけだ

 同社はブログ上で同機能について触れているが、DLMオンでは、主にゲームのようなアプリケーションで効果を発揮するようだ。全スレッドに負荷がかかる状況というよりは、一部に高負荷なスレッドが存在するときに有効というところだろうか。

AMDがブログ上で公開しているDLMの効果を表す図から、主にゲームで効果があるようだ
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