24コアと12コア、買うならどちら? 第2世代「Ryzen Threadripper」性能比較(2/3 ページ)

» 2018年11月21日 18時26分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]

2920Xは素直に性能が出る一方、2970WXは力を持て余している!?

 それでは第2世代Ryzen Threadripperの検証結果を紹介しよう。システム構成は、AMD X399マザーボードにMSI MEG X399 CREATION、グラフィックスカードにNVIDIA GeForce GTX 1080 Tiを搭載するMSI GTX 1080 Ti GAMING X TRIOを用意し、メモリはDDR4-2933対応のHyperX Predator DDR4 RGB HX429C15PB3AK4/32で8GB×4チャネルとして検証した。その他の機材についてはリストを参考にしていただきたい。

検証環境
マザーボード MSI MEG X399 CREATION(AMD X399)
メモリ HyperX Predator DDR4 RGB HX429C15PB3AK4/32(DDR4-3200/DDR4-2933で使用 8GB×4)
グラフィックスカード MSI GTX 1080 Ti GAMING X TRIO(NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti)
SSD Intel Optana SSD 800p SSDPEK1W120GA01(Optane NVMe 118GB)+WesternDigital WD Black NVMe SSD WDS100T2X0C SSD1TB(3D TLC NVMe 1TB)
電源 Corsair HX1000i(80PLUS Platinum 1000W)
OS Windows 10 Pro 64bit

 今回比較対象は用意できなかったので、2970WXと2920Xの比較および、2970WXでDLMをオンとした場合のテストも実施した。

 CINEBENCH R15は、コア数なりのスコアといえるだろう。2970WXは4000cb台に乗せているが、定格クロック側が2920Xよりも低い分、コア・スレッド数通り2倍とはいかなかったようだ。2920Xも2500cb台に乗せており、2970WXほどのインパクトはないにせよ、十分すぎるCPU性能といえる。シングルコア側は2920Xの方がわずかに高いが、これも最大クロックの差だろう。DLMについては、オフよりもオンの方が高い値だが、このくらいだとまだ誤差の範囲ではないだろうか。

CINEBENCH R15の結果

 TMPGEnc Video Mastering Works 6のトランスコードテストでは、少し理解に苦しむ結果が出ている。コア数の多い2970WXよりも半分のコア数の2920Xの方が短時間で処理を終えている。

TMPGEnc Video Mastering Works 6 トランスコードテストの結果

 要因として考えられるのは、(1)CPUの利用可能なスレッド数を使い切れていない可能性、(2)発熱量の違いによるブーストのかかり具合、(3)メモリのレイテンシなど。(1)についてはたとえこのような結果だったとしても、エンコードの裏でゲームをプレイしたりチャットを行ったりするような際にはさらにスレッドを消費するので、結果が変わったかもしれない。

 (2)については、今回水冷CPUクーラーを利用しているため冷却不足というのも考えにくいが、TR4ソケット向けのモデルではないため、ヘッド面積の広い専用水冷クーラーを用いれば変わったかもしれない。(3)については4つのダイを用いたマルチチップ構成である以上仕方のないところだろう。

 ちなみに、これとは切り分けてDLMオンではオフよりも余計に時間を要していた。幾つかのスレッドならば最適化できるかもしれないが、全体に負荷がかかった場合はその全てのスレッドにとって最適なスレッド・メモリ配置とすることは難しいのではないだろうか。AMDがゲームでの効果をアピールするのは、これに現れているように思われる。

 アプリケーション性能に移ってPCMark 10のスコアを見てみよう。ここでもOverallは2920Xの方が高かった。PCMark 10もそこまで多くのスレッドを使うわけではない。そのため2970WXの24コア・48スレッドはスペックを持て余した状態であることが考えられる。

PCMark 10(Overall)の結果

 Essentialsシナリオでは、特にApp Start-upで大きな差がつき、他2つのテストもそれなりの差が見られる。Productivityシナリオはそこまで大きな差ではなかったが、それでも2920Xの方がスコアはよかった。Spreadsheetテストはほぼ同等と言ってよく、差がついているのはWriting側だ。Digital Content Creationでは、Photo Editingテストは大差なく、一方で他2つのテストでは明確な差が生まれている。そしてRendering and VisualizationテストではDLMの効果があるように見える。

 Gamingシナリオは、GraphicsテストとPhysicsテストで2920Xが大差をつけてリードしたが、Combinedテストは2970WXが逆転した。加えてPhysicsテスト、CombinedテストはDLMオンの方が高いスコア傾向を見せている。

PCMark 10(Essentials)の結果
PCMark 10(Productivity)の結果
PCMark 10(Digital Content Creation)の結果
PCMark 10(Gaming)の結果

 3DMarkを見ると、負荷が軽いSky DiverやFire Strike(Performance)では2920Xの方がスコアがよい。より負荷が高いFire Strike Extreme以上のテストではほぼ同等のスコア。この点はGraphicsスコアも同様だ。負荷が軽すぎるSky Diverを除けば、先のPCMark 10 Gamingシナリオ同様、Fire Strike以上のGraphicsスコアにDLMの効果も見られない。ただし、Sky Diverで効果があるように見えるのは、GPU負荷が軽すぎるためにCPUの領域が拡大したためだろうか。

3DMark(Overall)の結果
3DMark(Graphics)の結果

 Physics/CPUスコアで見ると、おおむね2920Xの方が高い傾向で、2970WXがリードしたのはTime SpyのExtremeとDLMオンでのSky Diverだった。DLMに関しては、Fire StrikeのExtremeでオフ時の方がオンよりもよかったが、全般的に見ればオンにしておいてよさそうではある。

3DMark(Pysics/CPU)結果

 ゲームベンチマークは2つほど紹介しよう。まずTom Clancy's Ghost Recon Wildlands。解像度を3840×2160ピクセル固定として、画質側を切り替えてテストを行った。基本的に大差はないが、2970WXでDLMオンとした場合、高画質以下の3パターンにおいてわずかな差でトップに立った。

Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークは画質を高品質に固定し、解像度側を切り替えてテストした。基本的には先と同様の傾向で、3840×2160ピクセルは大差ないが、2560×1440ピクセル以下は2970WXのDLMオンがトップに立った。DLMオフでは、1920×1080ピクセル、1280×720ピクセルともに2920Xに敵わないフレームレートだったため、DLMに効果があったことは間違いないだろう。

Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月28日 更新
  1. 有機ELの新型「iPad mini」発表 A20 Pro、IP67対応、8.5型に大型化して11万9800円から (2026年10月26日)
  2. 機能は同じでも印象はガラリ カメラなしスマートグラス「Even G2」にべっ甲柄の新色 新しい偏光サングラスクリップやチェーンも登場 (2026年10月27日)
  3. Google「Fitbit Edge」先行レビュー Fitbit AirやPixel Watch 5との違いと選び方を解説 (2026年10月27日)
  4. M6チップの新型「14インチMacBook Pro」登場 CPUとGPUが12コアに、バッテリー駆動はMac史上最長の24時間 (2026年10月27日)
  5. Apple、M6チップの新型「iMac」発表 CPU/GPUを最大12コアに強化、AI処理はM4の最大5倍 24万9800円から (2026年10月27日)
  6. サンワ、計160W給電+デュアル4K出力に対応したType-C接続対応の多機能拡張ドック (2026年10月27日)
  7. 試して分かった新型「iPad mini」 欲張りすぎない進化で絶妙なコストパフォーマンスを獲得 (2024年10月22日)
  8. 「LAVIE Tab」の8型スタンダードモデルと12型クリエイティブモデルをマイナーチェンジ 想定ユーザー層を踏まえたスペック変更 (2026年10月27日)
  9. GMO、27日正午までに「ネット切断、PCの電源落として」 不正アクセスで顧客に呼びかけ (2026年10月27日)
  10. NECPCが個人向け「LAVIE」ノートPCの新モデルを10月29日に発売 一人一人の“LAVIE(人生)”に寄り添う製品を拡充 (2026年10月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー