週末特価を振り返ったとき、一年を通して目玉であり続けたのはストレージだ。
HDDは年初から主力の4TBモデルが税込み8480円で売られるなどして目立っており、7月には同7500円台の値付けまでみられた。しかし、夏以降はHDDの全体的な値上がり傾向が高まったこともあり、6〜8TBモデルをピンポイントで安くする戦略をとるショップが増加。10月にはパソコンSHOPアークがSeagateの8TB HDD「Barracuda ST8000DM004」を10台限定同1万6980円で売り出している。同店は当時「やはりHDDは値上がりの流れにあるので、ショップ判断で響く特価を用意する工夫が求められますね」と話していた。
新製品としては、9月にSeagateが3.5インチのNAS向けモデル「IronWolf ST14000VN0008」を同6万9000円前後で投入し、初の14TBモデルとして注目を集めている。11月には東芝からもNAS向け同容量の「MN07ACA14T」(同6万5000円前後)が登場するなど選択肢は拡大中だ。「そこまでの容量を求める人は限られてくるので、需要はNAS向け大容量か個人向けの中量量かという方向に進んでいると思います」(オリオスペック)
値上がり傾向となったHDDの代わりに特価の花となったのがSSDだ。11月下旬、TSUKUMO eX.は「Samsungなどが値下がりを実施して他社が追従する形でどんどん値下がりしています。2.5インチタイプなら高速モデルでも500GB級で税込み1万円以下、NVMe M.2の1TBでも同2万5000円切りが普通に選べる状況です」と話していた。
12月末にはSUNEASTの2TB 2.5インチモデル「SE800 2TB」が同2万9000円弱で登場するなど、初登場の段階で特価並に値頃な製品も選べるようになり、ボリュームドライブまでSSDでそろえるユーザーは珍しくなくなっている。
新技術としては、9月下旬にQLC方式のNANDを採用した初のSSDとしてIntelから「SSD 660p」シリーズが登場している。オリオスペックは「2TBで5万円強も魅力ですが、512GBで1万3000円なのもなかなか。NVMe対応のM.2スロットを複数備えているマザーも増えていますから、ブートドライブ以外の需要も伸びそうです」と評価していた。M.2 NVMe SSD用の外付けドライブキットも売り出されるようになり、ストレージの新陳代謝を促しているのも見逃せない。
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