VAIOから新たに登場した「VAIO SX14」は、同社が「VAIOスタンダードが新しいステージへと向かう製品」と位置付ける意欲作だ。
4K表示対応の14型液晶ディスプレイを搭載しながら、従来の13型モデル(VAIO S13)より軽量化し、さらに従来のビジネス向け端子を維持しつつ、先進のUSB PD対応のUSB Type-Cも備えるなど充実した内容を持つ。
今回、評価機として個人向けの特別仕様モデル「VAIO SX14 ALL BLACK EDITION」を入手した。性能や使い勝手を検証しよう。
ボディーデザインは、VAIO S13を継承。スリムでシャープなラインのフォルムが印象的だ。天板カラーはブラックと新色のブラウンが用意されている。
また、ALL BLACK EDITIONでは、通常のブラックモデルではシルバーとなっている背面のオーナメント(ヒンジ部の飾り)やVAIOロゴもブラックとなり、USBのコネクターの色もブラックで統一されている。
本体サイズは、約320.4(幅)×222.7(奥行き)×15〜17.9(高さ)mm。重量は約999g(最軽量時)からとなっている。画面周囲のベゼル幅を狭めた狭額縁デザインにより、13.3型液晶ディスプレイを搭載するVAIO S13(最軽量1066g)とフットプリントはほぼ同じまま、重量は逆に軽量化した。
なお、評価機のALL BLACK EDITIONの場合、スペックがハイスペック仕様であることから公称重量は約1045gとなる。実測では1028gと公称値より少し軽かった。
狭額縁化、軽量化しつつ堅牢性を確保するため、新設計の「カーボンウォール天板」を採用。素材は東レと共同開発を行い、無数の積層シミュレーションを経て新規設計したUDカーボン(超高弾性UDカーボン)を使用している。この新素材により、同じ天板をマグネシウム合金で作成した場合に比べて、約30%の軽量化を実現しているという。
天板への加圧試験や落下試験などおなじみの試験の他に、ペン挟み試験、液晶180度開きひねり試験といった運用を想定した独自の試験も加えたタフな試験を開発段階でクリアしているのも心強い。実際に手に持った時の剛性感も高く、そのままビジネスバッグに入れ、満員電車などに揺られるような状況へ、気兼ねなく持ち出せる安心感がある。
CPUは、開発コード名「Whiskey Lake-U」の最新・第8世代Coreを採用している。ALL BLACK EDITIONモデルはその中でも上位の性能を持つCore i7-8565Uを採用する。
モバイルノートPC向けの第8世代Coreは、開発コード名が異なる幾つかの種類が混在していてややこしいが、旧・第8世代Core(Kaby Lake R)の時点でそれまでの第7世代以前のデュアルコアからクアッドコアになり、大幅なパフォーマンスアップを果たしていた。
そのKaby Lake Rよりも新しいWhiskey Lake-Uの第8世代Coreでは、最大周波数が上がったことに加えて、無線LANのコントローラーとオーディオDSPを内蔵し、音声入力の処理の性能が向上するとともに、システム全体の省電力性で優位になっている。
VAIO SX14 ALL BLACK EDITIONのメモリは8GBまたは16GB、データストレージは標準でPCI Express(NVMe)対応のSSD(第3世代ハイスピードSSD)を採用しており、容量は256GB、512GB、1TBの3種類が選べる。
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