ベンチマークテストの結果を見よう。評価機のスペックは、CPUがCore i7-8565U、メモリが8GB、データストレージが第三世代ハイスピードSSD 256GB(Samsung PM981)、OSがWindows 10 Pro(1809)という内容だ。
CPUの性能を引き出すVAIO TruePerformanceはACアダプター利用時には標準で有効なので基本的に有効のままテストしているが、CINEBENCH R15とPCMark 10ではあえて無効にした場合でもテストを行っている。
CINEBENCH R15はのCPUスコアは663。1kgクラスのモバイルノートPCは、Intelの第8世代Coreがクアッドコアとなったことで大幅にパワーアップしているが、その中でもワンランク上のスコアといえる。2〜3年前からはほぼ2倍になっている。
PCMark 10は試作機だったためかProductivityのSpreadsheetsで異常値が出ていて総合スコアはやや低めだが、日常操作のテストであるEssentials、高負荷なクリエイティブ系の作業を行うDigital Content Creationのスコアは非常に良い。
バッテリーのテストは、bbench 1.01(海人氏・作)を利用し、10秒間隔でテキスト入力、60秒間隔でWebサイト巡回(10サイト)という条件で行った。電源プランはデフォルト設定(バランス)でテストした。
ディスプレイの輝度を指定できなかったため自動に任せたが、残り20%までで約4時間、残り5%まで4時間50分動作した。公称駆動時間が約8.2時間(フルHDモデルは最大約11時間)で、解像度や最大輝度が高いことを考慮しても、少し物足りない。
バッテリーレポートコマンドでみたバッテリーの容量は、設計容量で34.8WAh、実際の満充電容量が31.63WAhだった。試作機だったため少し劣化したバッテリーが入っていたこともあるが、設計容量自体も1kgクラスのモバイルノートPCとしてはあまり大きい方ではないのも事実。USB PDや5Vアシスト充電で補える部分ではある。
近年のVAIOは、法人需要を開拓しているためビジネス志向を強めてきたが、2017年に発売されたVAIO S13やS11は、その路線の1つの到達点として、ビジネスの第一線でタフに使える堅牢性とパフォーマンス、使い勝手を備えたビジネスプロフェッショナルというにふさわしい製品だ。
このVAIO SX14は、そのビジネスプロフェッショナルなクオリティーをそのまま維持した上で、USB PDやディスプレイ出力に対応したType-Cポートの装備、狭額縁デザインによる大画面化といったトレンドにキャッチアップ。かなり欲張りな内容といえるが、どっちつかずではなく全てが一流。ケーブル1本で多用途をスマートにこなせるType-Cエコシステムを活用した最先端のワークスタイル、伝統的ビジネススタイル、どちらも完璧にこなせる内容だ。
特に、USB PD対応に加えて、5Vアシスト充電ができる電源やバッテリーの柔軟さ、VAIO TruePerformanceによるワンランク上のパフォーマンス、有線LANやフルサイズのSDメモリカードが変換アダプターなどなしで使えることなどは強調できる強みだ。逆に弱点を挙げるなら、バッテリー容量が少ないことだが、これはUSB PDと5Vアシスト充電の対応で補える。同社が「新たなステージへ向かう」とアピールする通りの仕上がり。ビジネスプロフェッショナルはもちろん、コンシューマーにとっても魅力的な製品だ。
店頭モデルはCore i3-8145U、メモリ4GB、SSD 256GBという内容のエントリーモデルが税別13万9800円から。ALL BLACK EDITIONは、Core i7-8565U、メモリ8GB、4K液晶ディスプレイ、PCI Express SSD 256GBという内容で税別20万1800円から。内容を考えれば高すぎるということもないだろう。
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