VAIO S13・S11の2018年モデルで導入された「VAIO TruePerformance」も引き続き採用されている。IntelのCPUに導入されているTurbo Boost Technology 2.0では、電力、電流、温度などのステータスを監視し、あらかじめ設定したリミッターの範囲内で周波数を引き上げる。
VAIO TruePerformanceは、強力な放熱機構を実装しつつ、Turbo Boostの電力リミッター値を高く設定することで持続的なパフォーマンスを向上させる内容だ。電力リミッターを高く設定すると、放熱が安全に行われている限りは高い周波数で動作できるため、結果的にパフォーマンスが向上する。
なお、VAIOのテストによれば、Core i7-8565U搭載のVAIO SX14は、Core i7-8550U搭載のVAIO S13に比べて、15%性能アップ(ともにVAIO TruePerformance有効時)しているという。
アンチグレア仕様の14型液晶ディスプレイを搭載。表示解像度は、ALL BLACK EDITIONは4K(3840×2160ピクセル)、量販店モデルはフルHD(1920×1080ピクセル)、直販の通常モデルはどちらも選べる。
4Kモデルの場合の画素密度は314ppiと非常に高精細。高解像度の写真や映像はもちろん、Windows 10デスクトップのアイコンやテキストもクッキリと精細に表示される。
エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」を用いて計測を行ったところ、輝度は433nit、コントラスト比1456:1、色温度7543Kだった。実測した色域もsRGB面積比で102.3%(カバー率94.8%)と十分広い。sRGBとはカバー範囲がすこしズレているが、あくまでも筆者個人宅での計測値であり、厳密なものではない。少しのズレより面積比が大きいことの方が重要だ。
4Kで高精細というだけでなく、明るく鮮やかで色域も十分広い、良い液晶ディスプレイといえるだろう。アンチグレア仕様なので映り込みが少なく、照明がキツいオフィスや屋外でも視認性が良い点もありがたい。
6列アイソレーションタイプのキーボードを搭載する。ゆったりとしたクセのない配列で、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.2mm確保している。画面を開くとキーボードがチルトしてタイピングしやすい角度が付くのはVAIO S13と同様だ。パームレストも広く、とてもタイピングしやすい。
また、静音仕様のキートップを採用しており、カチャカチャとした音が抑えられている。なお、ALL BLACK EDITIONではキートップに刻印のない日本語・英字配列のキーボードも選べる。
USBポートはType-Cを含めて4基搭載。全てがUSB 3.1(10Gbps)でデータ転送できる。また、右側面に搭載するUSB Type-Cはディスプレイ出力(DisplayPort 1.2)、USB PD(Power Delivery)での充電に対応する。
フルサイズのSDメモリカード(SDXC、UHD-I対応)が使えるSDメモリカードスロットの他、ビジネスで需要の高い有線LAN、HDMI、アナログRGB出力(D-Sub15ピン)も搭載している。
通信機能は、1000BASE-T対応有線LANのほか、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応の無線LAN、Bluetooth 4.1に加えて、LTEも選択できる。
USB PD対応でないスマートフォン用の充電器やモバイルバッテリーが使える「5Vアシスト充電」機能も備える。出力が足りないアダプターやバッテリーでも補助的に使って駆動時間を延長し、本体非使用時に時間をかければ充電を可能にしようというVAIO独自の機能だ。いざというときに入手性が高いスマートフォンのACアダプターやモバイルバッテリーを利用できる点は心強い限りだ。
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