レファレンスデザインカードで外観を見ていこう。レファレンスと言っても、おそらくVEGAクラスのことなので他社から発売されるカードも同じデザインと思われる。
まず、長さについてはハイエンドらしいロングカードだ。Radeon R9 Fury XのころはGDDR系からHBM系に変わり、短かな基板でインパクトがあったが、Radeon RX Vega 64で既に元の長さに戻っている。まあ、このクラスのGPU(とメモリ)を冷却するにはショートサイズカードでは面積が足りないのだろう。
従来のレファレンスデザインと大きく異なるのはトリプルファン化したことだ。NVIDIAもRTX世代からデュアルファン化しており、それを意識したのか、はたまた従来のブロワーファンでは冷却が厳しくなってきたのか。AMDもこのタイミングでクーラーの見直しを行ったことになる。
カードの高さについてはまだ標準的といえる範囲であり、ファンの口径自体はそこまで大きくない。ただし、3基となったことで個々のファンの回転数を引き下げることも可能だろう。高負荷時はさすがに300W級なりの動作音であるが、アイドル時に関しては静かになったと感じる。
カードの厚みは2スロットに抑えられており、ヒートシンクは前から後ろまでほぼ全面を通してのサイズである。GPUからヒートシンクへは、ヴェイパーチャンバーとヒートパイプを組み合わせて熱輸送する。表面はシルバーのガードを用いているが、上下にあたる部分はエアフローを逃がすために大きく開口しており、ヒートシンク内部の構造がよく見える。
Radeonと言えば、BIOS切り替えスイッチが特徴的だったが、Radeon VIIではそれが確認できない。背面は、バックプレートが装着されている。そして、後部にはこれまでのVEGA同様に光る「R」ロゴが搭載され、その横に8ピン2基の補助電源コネクターがある。消費電力(ボードパワー)は、微細化し、ストリームプロセッサ数を減らした効果でさぞ下がるかと期待したが、300W。5WだがVega 10より増加している。おそらくGPU回路側で引き下げても、メモリのHBM2側で増えてしまったのだろう。
映像出力端子はHDMI×1、DisplayPort×3。これはRadeon RX Vega 64と同じで、GeForce RTX上位GPUのUSB Type-Cや下位GPUのDVI-Dなどは搭載されていない
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