VEGAの血を受け継ぐスペックモンスター「Radeon VII」を試す(1/4 ページ)

» 2019年02月28日 22時12分 公開
[石川ひさよしITmedia]

 AMDから「Radeon VII」が発表され、製品の販売も開始された。VEGAの血を受け継ぐハイエンドGPUで、製造プロセスのシュリンクも合わせ、メモリ、ストリームプロセッサやクロックなどスペックにも変更があった。現時点でのRadeonシリーズにおけるフラグシップと呼べる製品になっている。

Radeon VII

7nmプロセスに微細化され、リファインされたVEGAがRadeon VII

 Radeon VIIのスペックについては、CES 2019で公開された通り。アーキテクチャはVEGAを受け継ぐが、製造プロセスを7nmに微細化したコード名「Vega 20」だ。微細化によって同じトランジスタ数ならダイサイズを小さくでき、同じ面積ならトランジスタ数を増加できる。ただ、Vega 20ではダイサイズを小さく、内部のストリームプロセッサも、Vega 10から若干減らしている。代わりに動作クロックは、定格クロック、ブーストクロック、最大クロックいずれもVega 10から引き上げられている。このあたりが7nmプロセス導入で調整されたところだ。

Radeon VIIのスペック
製品名 Radeon VII Radeon RX VEGA 64 Radeon RX Vega 56
アーキテクチャ Vega 20 Vega 10 Vega 10
製造プロセス 7nm 14nm 14nm
トランジスタ数 13.2B 12.5B 12.5B
ダイサイズ 331mm^2 495mm^2 486mm^2
NGC 60基 64基 56基
ストリームプロセッサ数 3840基 4096基 3584基
定格クロック 1.4GHz 1.274GHz 1.156GHz
ブーストクロック 1.75GHz 1.546GHz 1.471GHz
最大クロック 1.8GHz 1.63GHz 1.59GHz
ROPs 64基 64基 64基
HBM2メモリ容量 16GB 8GB 8GB
HBM2メモリバス幅 4096bit 2048bit 2048bit
HBM2メモリ帯域幅 1TB/s 483.8GB/s 410GB/s
ボードパワー 300W 295W 210W

 メモリ周りは大幅に増強された。Vega 10でHBM2を採用し、その際は1.8Gbpsの2チップ構成で2048bit接続だったが、Vega 20では2Gbpsの4チップ構成で4096bit接続になった。これによりメモリ帯域幅は1TB/sに達している。

GPU-Z上から見たRadeon VII

 このようにメモリ帯域幅は1TB/sへと向上したわけだが、ROPsに関しては据え置きだ。ストリームプロセッサ数が減っていることと合わせ、この帯域を有効に活用しきれるのかどうかは分からない。

 実際、ホワイトペーパー上のテクスチャフィルレートは、Radeon RX Vega 64の395.8GP/sに対し、Radeon VIIは432.24GP/sで、およそ1割のアップにとどまる。つまり、パフォーマンスバランスのための帯域幅からスペックが決まったというよりも、スペックが決まったためにこうなったというのが正しいようだ。

 16GBという容量については活用できるだろう。高画質・高解像度の設定を詰めていくと、昨今のゲームでは8GBを超えることもある。実装面で言えば、先に指摘した通り、4GB×チップ数で決まるところがある。HBM系の場合、GDDR系のような柔軟なバス幅ができないのだろうか。3チップで3072bit、12GBでもよかったのかもしれないが、できないのか、判断しなかったのか、4チップで4096bit、16GBとなったわけだ。いずれにせよ、テクスチャ読み込み量の多いゲームでは有効なシーンがあるだろう。

Radeon VII(Vega 20)のダイ。中央のGPUコアを挟み、左右に2チップずつHBM2メモリが搭載されている
こちらはVega 10のころのダイ。Vega 20は、7nm製造によりGPUコア部分を小型化し、生まれたスペースにHBM2メモリを2つ増やして全体のバランスを整えた印象
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