GeForce GTX 1650はライトゲーマー層に福音をもたらすのかエントリーグレードのTuring登場(1/3 ページ)

» 2019年05月01日 07時00分 公開
[石川ひさよしITmedia]

 4月23日、NVIDIAはデスクトップPC向けのGeForce GTX 1650を発表、先週末から秋葉原の店頭でも一斉に発売された。これはモバイル向けGTX 1600シリーズと同時にアナウンスされたものだ。1600シリーズの下二桁50番ということで、ポジションとしてはGeForce GTX 1050クラスの後継GPUである。それ以前にはGTX 950や750から続くゲーマーエントリーを支えたGPUの流れだ。FPSなどの負荷の高いゲームでは性能が不足気味ではあるが、軽めの3Dゲームであれば必要十分で、MOBAを始めとしたeSportタイトルを楽しむ用途にもちょうどいい。

 さて、新しいxx50クラスはどのくらい性能がアップしているのだろうか。

GTX 1650 GeForce GTXファミリーに加わったGTX 1650

2万円前後で買えるメモリバス128bitクラスのTuring世代GPU

 まずは、GeForce GTX 1650のスペックを確認しておこう。

GPU GTX 1650 GTX 1050 Ti GTX 1050(3GB) GTX 1050(2GB)
CUDAコア 896基 768基 768基 640基
ベースクロック 1485MHz 1290MHz 1392MHz 1354MHz
ブーストクロック 1665MHz 1392MHz 1518MHz 1455MHz
メモリクロック 8Gbps 7Gbps 7Gbps 7Gbps
メモリ容量 4GB GDDR5 4GB GDDR5 3GB GDDR5 2GB GDDR5
接続バス幅 128bit 128bit 96bit 128bit
転送速度 128GB/s 112GB/s 84GB/s 112GB/s
消費電力 75W 75W 75W 75W

 GeForce GTX 1650は、CUDAコアが896基、メモリバス幅が128bitで、搭載メモリはGDDR5 4GBとなっている。CUDAコア数は1世代前のGeForce GTX 1050と比べて128基増加している。アーキテクチャがPascalからTuringへと進化したため、同列に比較することはできないが、新世代ということで性能は向上していると見られる。

 メモリバス幅や搭載メモリは、GeForce GTX 1050シリーズでも上位にあたるGTX 1050 Ti相当だ。GeForce GTX 1050には3GBモデルや2GBモデルもあったが、こういった小容量のモデルが登場するのか、現時点では不明だ。ただ、GPU性能が向上すれば画質や解像度、つまりメモリ使用量も増えるため、単に映像出力が必要という用途ではなくゲームを主体とするならば、4GBは搭載していた方が安心材料だろう。

GTX 1650 GPU-Zの画面。GPU-ZのデータはZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OCのもの。リファレンスのブーストクロックは1665MHzとされる

 メモリクロックに関しては、7Gbpsから8Gbpsへと引き上げられた。そのため、メモリ転送速度も向上している。GPUクロックも、公開されているブーストクロックを見る限り引き上げられており、それぞれのスペックアップがゲームにおいてはフレームレートの向上などに貢献するだろう。一方、消費電力に関しては75W級で、補助電源を必要とせずPCI Expressバスからの供給のみでまかなえる。

 今回は、「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC」(ZT-T16500F-10L)を用意した。このカードでGeForce GTX 1650の特徴をつかんでいこう。

GTX 1650 ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OCは、一般的にショートカードと呼ばれるサイズの製品だ。上位GPUモデルにもショートカードがあるが、消費電力が75W以下、メモリチップの枚数も少ないGeForce GTX 1650搭載ということもあり、カード後端はPCI Express x16スロットと同じ長さだ
GTX 1650 カードは2スロット厚のデザインで、シングルファンで冷却する。ファンとブレードの隙間からは、アルミ製の削り出しヒートシンクが見える。シンプルなヒートシンクで十分に冷却できる熱量のようだ
GTX 1650 前述の通り、補助電源コネクタはない。ファンカバーも樹脂製だ。ZOTACらしい複雑な造形をしたデザインで見た目をにぎやかにしている
GTX 1650 映像出力端子はHDMI 2.0b×1、DisplayPort 1.4×1、DVI-D×1の3系統。製品にもよるかもしれないが、およそGeForce GTX 1050シリーズも同様のレイアウトだったと思う。HDMI、DisplayPortという主流の端子が各1基なので、マルチディスプレイ時には使い分けが必要だが、DVI-Dと合わせて3画面表示ができれば問題ないだろう
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