「19H2」の話題に触れたついでに、少しだけ小さな同アップデートでの大きな変化を紹介する。現行の「May 2019 Update(1903)」では、音声アシスタントのCortanaとWindows 10の検索システムが分離されており、さらに「Cortana」がβ版として独立したアプリとしてMicrosoft Storeで提供されていることは、以前のレポートにもある通りだ。
Cortanaの未来予測はいくつか浮かんでくるが、2019年秋に提供が見込まれる「19H2」ではさらに話が進み、「Cortanaの代わりにAlexaのようなサードパーティの音声アシスタントをロック画面から呼び出す」ことも可能になるという。
本件を報じているのはThe Vergeのトム・ウォーレン氏で、Microsoftでは「19H2」の世代でWindows 10におけるサードパーティー製音声アシスタントの動作要件を緩和し、例えばPCがロック状態にあっても「Alexa」のコマンドワードでWindows 10内の“Alexa”が呼び出せるようになるという。2019年初頭には「Alexa対応PC」が複数発表されて話題になったが、これを専用ハードウェアの機構なしでも通常のPC上で動作させる仕組みだと予想される。ある意味で柔軟性を向上させる仕組みなので、Microsoftの正式アナウンスに期待したいところだ。
Microsoftでは同時期に米ネバダ州ラスベガスで開催されている「Inspire 2019」カンファレンスに合わせ、次期主力ブラウザとなる、いわゆる「Chromium Edge」の最新アップデートを公開している。
Chromium Edgeは2019年3月から既に「Dev」と「Canary」の2つのチャネルを通じてベータテストが行われているが、これらは主に開発者や一部のプロフェッショナルユーザーを対象としたものだ。企業導入など主にエンタープライズユーザーを対象とした「Beta」の提供はまだ行われていない状態であり、どちらかといえば提供が遅れている傾向といえる。
一方で、Inspireでは主に企業向けを対象としたChromium Edgeの新機能が紹介されており、Betaチャネルの提供を含む本格展開に向けた準備が着々と進みつつある印象を受ける。
Windows 7や8.1など旧バージョンOS向けのChromium Edgeの提供は、6月時点で既に開始されているが、オフラインインストールへの対応やAzure AD経由によるブラウザ閲覧やシングルサインオン(SSO)のサポートなど、比較的展開しやすい仕組みを備えつつある。
グループポリシー対応やApplication Guard、PDFサポートもその一環で、企業ネットワークでの運用テストが行いやすくなった。極め付きはIE Modeのサポートで、主に企業内で動作する“古い”コンテンツへのアクセスをChromium Edge上で可能にする。このIE Modeはかなり本格的で、最終的なゴールは「ActiveX」と「ドキュメントモード」をも含む100%のIE11互換だという。
本当に実現した場合は「モダンブラウザへの移行がかえって進まなくなるのでは?」という余計な心配も抱くが、気になる機能であることは間違いない。今回のアップデート情報については公式Blogにまとめられているが、Edge Insiderのサイトと合わせ、引き続きチェックしてみてほしい。
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