飯山事業所で生まれるマウスコンピューターの“高品質へのこだわり”マウスPC生誕の地(1/2 ページ)

» 2019年07月27日 05時30分 公開
[田中宏昌ITmedia]

 mouseやG-Tune、DAIV、MousePROといったさまざまなPCブランド、そしてモニターのiiyamaブランドを擁するマウスコンピューター。BTO(Build To Order)パソコンを掲げ、開発から生産、サポートまでを一貫して国内で行っており、その中核を担っているのが長野県飯山市にある飯山事業所だ。

国内生産ならではのこだわり

 同社製PCやタブレットの全モデルを生産するとともに、出荷拠点でもある飯山事業所は、品質管理部や開発部などで構成される。従来は別の場所にあった開発部をここ集約することで、よりスピーディーな開発を実現している他、iiyama事業部を別棟に移して空きスペースに工場を新設し、生産能力を高めている。

飯山事業所 マウスコンピューターの飯山事業所。写真は生産スペースの全景
飯山事業所 マウスコンピューターが掲げる5つのクオリティー。これらの大部分を支えているのが飯山事業所だ
飯山事業所 さまざまな製品の開発も行っている

 多彩な製品を手がける同社だが、最もこだわっているのが国内製造ならではの「品質」を届けることだ。「すべての行動は、お客様第一のために」という品質方針を掲げ、製品をスピーディーかつ低価格で提供する姿勢を「飯山TRUST」のロゴと言葉に集約している。

 同社の生産スタイルは、ノートPCとデスクトップPCともにセル生産方式を採用している。一般的に、多岐にわたるBTO製品を生産しやすく、突然の仕様変更にも対応しやすいのがメリットだが、逆に数多くのパーツを扱うため間違いが生じやすく、スタッフの力量で個人差が出やすいというデメリットもある。

 これらの課題を、どのように解消しているのだろうか。実際の生産工程を見ていこう。

各工程で貫かれている品質管理体制

パーツの受け入れ

 まずは各種部材の入荷だが、海外からのパーツは細かな仕様書が届く前に先に部材が到着することもままあるという。そういった場合は黄色いラップを巻き、受け入れNGは赤いラップを巻くなどして、生産側が視認でき、把握しやすい状態にしている。

 部材は全てシリアル番号が割り当てられ、バーコードを付与して個体管理を行っている。抜き取り検査を実施して、仕様書と見比べるという作業も行っているという。

飯山事業所 部材を受け入れているところ
飯山事業所 生産側が見やすいように視覚的に判別できるよう工夫が施されている。赤いラップが巻かれたものは受け入れNGを意味する
飯山事業所 全てのパーツにバーコードが付与される
飯山事業所 倉庫には、多種多様なパーツが保存されている
飯山事業所 CPUなどの高価なパーツは別室で保管される

パーツのピッキング

飯山事業所 製造するPCは1枚の紙にまとめられており、出荷日に応じて分かりやすく色分けされている。これも現場の声を反映させた結果だという
飯山事業所 仕様書のバーコードをスキャンすると必要な部材のランプが点灯するのでそれらをピッキング
飯山事業所 組み立てる1台のパーツが、1つのコンテナにまとめられる
飯山事業所 集められたパーツは、ピッキングをした人とは別の担当者が1つずつバーコードをスキャンして確認する
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