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» 2020年04月22日 22時00分 公開

本田雅一のクロスオーバーデジタル:新「iPhone SE」は単に“爆速なiPhone 8”ではない いち早く試して判明した違い (1/3)

第2世代「iPhone SE」を試したところ、ベースになった「iPhone 8」と比べて劣るところは一つもなく、最新プロセッサを搭載したことによる利点が十分に感じられた。また、iPhone 8とほぼ同じ形状なのだが、細かな違いと注意点も明らかになった。

[本田雅一,ITmedia]

 発売前の第2世代「iPhone SE」を一足先に試用した。最新世代の「iPhone 11」と同じプロセッサを搭載しつつ、ホームボタンを持つ最後のモデルだった「iPhone 8」と同じ外装を採用する。

iphone se ホームボタン(Touch ID)を備えた最後のiPhoneだった「iPhone 8」と同じ外装の「iPhone SE」第2世代モデル。左が(PRODUCT)REDのiPhone 8、右がホワイトのiPhone SE

 フォルムはほぼiPhone 8だが、ボディーカラーは変更。iPhone 8はスペースグレイ、シルバー、ゴールド、(PRODUCT)RED(後に追加)だったが、iPhone SEではブラック、ホワイト、(PRODUCT)REDとなった。また、iPhone 8はシルバーとゴールドの前面ベゼルがホワイトだったが、iPhone SEは3色とも前面ベゼルがブラックのみとなる。

iphone se フォルムはほぼiPhone 8だが、ボディーカラーは変更。左が(PRODUCT)REDのiPhone 8、右がホワイトのiPhone SE。Appleロゴの位置やiPhoneの文字の有無などが異なる

 iPhone 8と全く同じ形状とアナウンスされているが、前面ガラスの曲面に関しては、わずかに許容する公差が大きくなっているようだ。保護ガラスの同時購入を検討している方は、iPhone 8用ではなく、iPhone SE用を選ぶように注意したい。

 とはいえ、第2世代iPhone SEの本質は見た目ではない。iPhone SEの本質は「近年のiPhoneとしては最も低価格でありながら、最新のiPhoneと同等のパフォーマンスを持つ」という点だ。また小型でシンプルな端末を待ち望む消費者にとっては、コンパクトな4.7型という点でも(初代iPhone SEの4型には及ばないが)注目の機種といえる。

iphone se 左が4型の初代iPhone SE、右が4.7型の第2世代iPhone SE。一回り大きくなった

 結論から言おう。iPhone SEはiPhone 8と比べて劣るところは一つもなく、最新SoC(System on a Chip)の「A13 Bionic」を搭載したことの利点を十分に感じられる端末だった。カメラ性能も「ナイトモード」が存在しないことを別にすれば、ほとんど最上位モデルの広角カメラと遜色ない。

 また搭載するSoCが最新であるだけではなく、性能面でもよくチューニングされている。ベンチマークテストでは、マルチコアでのCPUスコアがやや落ちるものの、GPU性能はむしろ既存の最新鋭機に比べてもよいスコアが出ていた。

 最新のSoCを搭載することで、画像処理、機械学習処理を行えるようになるため、Appleが対応アプリの増加、新たな応用ジャンルへのスタート地点として重視しているARKit、Core MLといった開発基盤を底上げする意味も大きい。

 まずはそのパフォーマンスから見ていくことにしよう。

最新モバイルパソコンに匹敵するパフォーマンス

 iPhone SEにはiPhone 11・11 Proシリーズと同じA13 Bionicが搭載されているとはいえ、システムそのものが同じなわけではない。熱設計でパフォーマンスが大きく変化する現代のコンピュータの傾向からすれば、必ずしも最新・最上位のモデルと同等とは言い切れない。

 しかし、ベンチマークテストのGeekbench 5を動かした結果を見る限り、そうした懸念は杞憂(きゆう)だったようだ。CPUのシングルコアはiPhone Pro系と同等のスコア、マルチコアはわずかに下回るスコアだったものの大きな違いはなく、GPU性能に関してはiPhone Pro系よりもやや高いスコアを出した。

iphone seiphone se Geekbench 5の結果。左がCPU(シングルコア、マルチコア)のスコア、右がGPU(Metal)のスコア

 マルチコアのスコアが若干下回った理由、GPUスコアがやや上回った理由の詳細は分からない。あるいは発熱のバジェット振り分けを調整した結果なのかもしれないが、より小さく薄いiPhone SEにA13 Bionicを搭載した状態でも、プロセッサの能力は遺憾なく発揮できている。

 ちなみにシングルコアの1300を超えるスコアは、ほとんどのモバイルコンピュータの能力を超える。マルチコアの3130というスコアも、先日発表された新型「MacBook Air」のCore i5モデルをしのぐ性能といえば想像できるだろうか。GPUの計算能力も新型MacBook Airほどではないが、筆者が所有している13インチMacBook Proの旧モデル(2018)と同レベルにある。

 スマートフォンとパソコンを比較することに大きな意味はないが、低価格化されたiPhone SEでも性能が犠牲にされていないということだ。

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