先述の通り、TTPK IIはAndroidデバイスでも利用できる。接続方法はWindowsと同様で、Bluetoothか(あまり使われないかもしれないが)2.4GHz無線モジュールのいずれも利用できる。ただし、接続時は本体背面の「オペレーティング・システム・スイッチ」をAndroid側(ドロイドアイコンのある方)にする必要がある。
今回レビューしている日本語配列モデルの場合、文章入力時の日本語と英字の切り替えは、Windows PCと同様に「半角/全角」キーで行える。Ctrlキー+C/X/Vキーの組み合わせによる「コピー」「切り取り」「ペースト」も問題なく使える。Shiftキー+カーソルキーによる範囲指定やAltキー+Tabキーの組み合わせによるタスク切り替えも利用可能だ。
Androidデバイス特有の「戻る」「ホーム」「タスク」ボタン、そして検索画面の呼び出しは、それぞれ「F9」「F10」「F12」、そして「F11」に割り当てられている。ホームとタスクの間に検索が“割り込んでいる”並びとなっているため、評価中、タスクを呼び出そうとして検索を呼び出してしまうことがあった。
Androidデバイスのタスク切り替えは、タスクボタンを押した後に(※)、表示されるアプリをフリックして目当てのアプリが出てきたらそれをタップして切り替えるようになっている。その感覚でTTPK IIのF12キー(タスクボタン)を押して、カーソルキーで並んだアプリ画面を動かそうとすると、意図せず次のアプリに切り替わってしまう。
(※)OSのバージョン(またはデバイス)によっては、ホームキーまたは画面下端の中央部を上方向にスワイプするとタスク切り替え画面に遷移するものもあります(以下同)
ここで取るべき正しい行動は、タスクボタンを“連打”することだ。F12キーを押す度にアプリ表示が動くので、目的のアプリにフォーカスが当たったらEnterキーを押せばアプリが切り替わる。ただし、Androidデバイスのタスクボタンをタップしてアプリ画面を並べた後なら、カーソルキーで表示を動かすこともできる。
なお、Androidデバイスで使う機能の刻印は、キートップではなく、キーボード上の本体に薄く印刷されている。そのため、つい「Fnキーとの組み合わせで機能するのかな?」と思ってしまいがちだが、Fnキーと同時に押すと機能しないので注意しよう。
Androidデバイス用の外付けキーボートの多くは、携帯しやすいように軽量薄型であることが多く、折りたたみ機構を備えているものも少なくない。そのような「専用キーボード」と比べると、TTPK IIは確かに大きくて重い。
ただ、薄くて軽くて折りたためるキーボードの多くは、そのトレードオフ(代償)としてキーボードユニットはきゃしゃでキーピッチは狭く、キーストロークも浅い。それだけに、「タイプ作業は快適だ」とは言い切れない(もちろん、タイプしやすいキーボードも少ないながらも存在し、実際に購入して使っていたこともあるが)。
それなりのボリュームがあるテキストをタイプしたい場合、快適にタイプできるキーボードは必須だ。そのとき、TTPK II(と有能なエディタアプリの組み合わせ)があればAndroidデバイスでも恐れることはない。
TTPK IIを接続したAndroidデバイスでは、ThinkPad独自のポインティングデバイス「TrackPoint」も有効になる。動かすとディスプレイにマウスカーソルが表れて、ThinkPadと同様の精度でカーソルを動かせる。「画面サイズが小さいのに解像度が高くてタップ操作がしづらい」「指先が異様に乾いて(湿って)静電式タッチパネルが正常に機能しない」といった場合でも、TrackPointを使えば快適に操作できる。
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