Appleが“史上最速“と語る「16インチMacBook Pro+Radeon Pro 5600M」は買い? 新旧比較テストで分かった性能差本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/4 ページ)

» 2020年06月22日 16時30分 公開
[本田雅一ITmedia]

Premiere Proユーザーにはとても魅力的な新オプション

 動画ファイルに関しては、Blackmagic designの「DaVinci Resolve」とアドビシステムズの「Adobe Premiere Pro」「Premiere Rush」における動画書き出し処理に関してテストを行った。

 Appleの公開データでは、DaVinci Resolveを用いた場合、7割程度の書き出し速度向上が得られるようだ。DaVinci Resolveはカラーグレーディング処理が得意なアプリでもあるため、LUT(ルックアップテーブル)変換などによる色再現モデルの変更、あるいはさまざまな画像エフェクトと複数ストリームの合成といった処理を行う場合に、GPUの活躍が期待できる。

 そこでフルHD・30p動画2本を合成し、片方のストリームにフィルムグレイン効果とカラーグレーディングを施し、ワイプを合成した18分57秒の映像をH.264で書き出してみた。

 結果は5500Mの58分49秒に対して5600Mが44分21秒と、確かに大幅な高速化は確認できたものの、今回テストした限りでは7割までの大幅な高速化はみられない。適用するフィルターの種類などにより、その効果が変化するのかもしれない。

MacBook Pro 16 「DaVinci Resolve」の動画書き出しテスト結果。18分57秒のフルHD・30pクリップを2ストリーム、全体にフィルムグレイン、片方にLUT変換によるカラー調整を加えてH.264でエンコード。所要時間は5500Mが58分49秒、5600Mが44分21秒

 もっとも、DaVinci Resolveの場合、リアルタイムプレビュー時のフレームレートにもGPU性能が大きく影響する。出先で撮影した4K動画を簡易的に編集、事前に確認しておきたいといった場合など、書き出し時間の短縮以外にもアプリの動作そのものが快適になる利点はあるだろう。

 一方、Premiere Proに関しては明確な速度向上が見られた。2ストリームのフルHD・30p動画をワイプ合成し、片方の映像にフィルムグレインと色調補正を行った25分48秒の動画を書き出したところ、5500Mが19分50秒かかるところ、5600M搭載モデルは12分18秒と6割以上も高速化した。Premiere Proの場合、プレビュー用ファイルの生成で待たされる時間が短くなることも利点としてある。

 より高いフレームレート、より多い画素数、より長い動画などでの作業効率を考えると、この差はばかにできない。

MacBook Pro 16 「Premiere Pro」の動画書き出しテスト結果。25分48秒のフルHD・30fpsクリップを2ストリーム、片方をワイプで挿入。1ストリームに対してカラー補正とグレインノイズ、テロップ付与した。所要時間は5500Mが19分50秒、5600Mが12分18秒
MacBook Pro 16 「Adobe Media Encoder」の動画書き出しテスト結果。25分48秒の4K動画を80Mbpsでエンコード。所要時間は5500Mが18分23秒、5600Mが15分21秒だった。ソフトウェアだと12分58秒なので、こちらはGPUでの処理が高速なわけではない

 ただし処理が軽いアプリケーションでは、その恩恵が少ないようだ。同じアドビシステムズの製品でもPremiere Rushの場合、上記と同じ25分48秒の動画素材に対し、ノイズ付加とカラー調整の代わりに「SLフジ」というカラー調整を加えて書き出したが、5500Mの6分31秒に対して5600Mは5分49秒となった。差はあるもののPremiere Proほどの違いはみられない。

MacBook Pro 16 「Premiere Rush」の動画書き出しテスト結果。25分48秒のフルHD・30fpsクリップを2ストリーム、片方をワイプで挿入。1ストリームに対して「SLフジ」のカラー調整を加えた。所要時間は5500Mが6分31秒、5600Mが5分49秒

 なお、参考までにおなじみのベンチマークテスト「Geekbench」で3Dグラフィックス描画性能を計測したところ、スコア(Metal)は5600Mが45392、5500Mが32076だった。3D描画では差が大きく開いている。

MacBook Pro 16 「Radeon Pro 5600M(8GB HBM2メモリ)」搭載モデルの「Geekbench」結果(Metalスコア)
MacBook Pro 16 「Radeon Pro 5500M(4GB GDDR6メモリ)」搭載モデルの「Geekbench」結果(Metalスコア)

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