Amazonの「Echo Auto」は、車の中で音声アシスタント「Alexa」を利用できる、車載専用のEchoデバイスだ。
これまでも「Echo Dot」や「Echo Input」などのスマートスピーカーを持ち込むことで、Alexaを車の中で利用することは不可能ではなかった。とはいえ、インターネットアクセスのためにテザリングの設定が必要になる他、エンジン始動時の再接続に時間がかかるなど、車載ならではの問題点があり、決してシームレスとは言えなかった。
今回のEcho Autoは、こういった課題に対して、どのような解決が図られているのだろうか。海外では2018年から販売され、既に一定の支持を得ている本製品が、このたび日本でも投入されたので、試用レポートをお届けする。まずは基本編として製品の特徴および設置方法を紹介し、次回の活用編では本製品がカーナビとして使えるのかといった疑問点をチェックしていく。
まずは外見から見ていこう。本体はクレジットカード並みのコンパクトさで、天面にはEchoシリーズおなじみのアクションボタンとマイクオン/オフボタンが配置されている。正面には、応答時にブルーに点灯するLEDが配置されている。サイズは約85(幅)×47(奥行き)×13.28(厚さ)mmで、重量は約45gだ。
ちなみに、本製品には簡易なスピーカーも内蔵されているが、これはセットアップ時などに使うためのもので、接続完了後の音声は全て車載スピーカーから流れる仕様だ。本体に音量調整ボタンはなく、セットアップ時に大声で話し始めるAlexaの音量を下げる方法はない。このような点は、同じく音量ボタンのないEcho Flexなどとそっくりだ。
取り付けは、付属の専用マウント具をエアコンの送風口に差し込んで台座とし、その上に載せる。マグネットが内蔵されているので、乗せるだけでしっかりと固定でき、いざという時には簡単に取り外せる仕組みだ。その上で、右側面のUSBポートからシガーチャージャーに、電源供給用のUSBケーブルを接続する。
エアコンの送風口に固定するギミックは、ドリンクホルダーやスマホスタンドなどのカーアクセサリーにも見られるもので、汎用(はんよう)性は高い反面、車種によっては対応しないこともある。また、物理的な取り付けは問題なくとも、レイアウト的に適切でなかったり、また送風口を完全に覆ってしまったりと、エアコンの利用に難が出る場合もある。
こうした時は、ダッシュボードに直接貼り付けてしまう方法もあるだろう。またマイクの集音性を多少犠牲にしてもよければ、本体を横向きにしたり、立てたりといった取り付け方も考えられる。ただしその場合、本体正面のLEDランプが見えづらくなり使い勝手が低下することは、考慮しておいた方がよい。
個人的に気になったのは、microUSBポートが配置されているのが本体右側面で、運転席の側、ハンドルのある方向に向かってケーブルが伸びるため、配置によっては邪魔に感じることだ。ハンドル横にシフトノブがある車種だと、シフトノブにケーブルが絡まりかねず危険だろう。
これは本製品が、基本的に左ハンドル車である国での利用を前提に設計されているからだと推測される。理想を言えば、左側面にもmicroUSBポートがあり、どちらでも選択できればベターだったのだが、現状ではユーザー側で工夫するしかない。
続いてセットアップを行う。
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