Googleは3月9日(米国太平洋時間)、Chromebook/Chromebox用の「Chrome OS」の最新バージョン「M89」をリリースした。対応する端末には、アップデートが順次配信される。
あらゆる場所で複数のデバイスを使うシーンが増えたことを受けて、Chrome OS M89では「Better together(一緒により良く)」と「Get things done fast(物事を迅速に高速に)」の2つをキーワードに複数の新機能が実装されている。
Chrome OS M89ではAndroid端末との連携機能を強化している。具体的には以下の新機能が実装される。
「Phone Hub」は、Chromebook/Chromeboxと同じGoogleアカウントでログインしているAndroid端末の機能を制御したり通知を確認したりできる機能だ。Windows 10における「スマホ同期(Your Phone)」に相当する機能ともいえる。
Phone Hubは、シェルフの右側にあるアイコンをクリック(タップ)して利用する。クリックして表示されるパネルからは、Android端末の電波状況やバッテリー残量を確認したり、モバイルホットスポット(Wi-Fiテザリング)やサイレント(マナー)モードのオン/オフを切り替えたりできる。Android端末の「Chrome」で直近まで開いていたタブを確認したり(最大2つ)、Android端末の通知を確認したりすることも可能だ。
なお、Phone Hubは「始まりに過ぎない」とのことで、Android端末以外のデバイスを連携対象に加える計画も存在するようである。
「Nearby Share(ニアバイシェア)」は、Googleの近距離ファイル交換機能だ。iOS/iiPadOS/macOSにおける「AirDrop」や、Windows 10における「近距離共有(Nearby Sharing)」と類似した機能となる。
Nearby Shareは従来、Android 6.0以降を搭載するAndroid端末(一部を除く)でのみ利用できたが、Chrome OS M89を適用することで、Chromebook/Chromeboxでも利用できるようになる。
Chrome OSの現行バージョンでは、同じGoogleアカウントでログインしているChromebook/Chromeboxとの間でWi-Fi(無線LAN)の接続設定を共有する「Wi-Fi Sync」という機能を実装している。
Chrome OS M89のリリースに合わせて、Android端末でもWi-Fi Syncを利用できるようになる。Android端末とChromebook/Chromeboxとの間でWi-Fiアクセスポイント(ルーター)の接続情報を共有することで、新規導入するデバイスにおけるセットアップの手間を一部省けるようになる。
Chrome OS M89では、作業効率を向上するための機能の追加と改善も行われる。
表示している画面を保存する「スクリーンキャプチャ」は、キーボードショートカットに加えてシェルフ内にある「クイック設定」からも撮れるようになる。従来は面倒だったウィンドウ単位のスクリーンキャプチャを撮りやすくする機能改善も行われる。動画の保存にも対応する(参考記事)。
「Tote(トート)」はシェルフに新設される領域だ。その名の通り「トートバッグ」のようにファイルをストックすることで、迅速にファイルを開くことができる。
ここには、直近に追加されたダウンロードファイルやスクリーンキャプチャが自動的にストックされる。任意のファイルを「ピン止め」しておくことも可能だ。
文字列、画像やファイルをコピー/カット(切り取り)/ペースト(貼り付け)できる「クリップボード」では、コピー/カットした内容を直近5件まで保持できるようになる。
ある程度ではあるが、アプリやウィンドウを行ったり来たりして、コピー/カットとペーストを繰り返す手間が省ける。
「仮想デスク(Virtual Desks)」機能は、ユーザーインタフェース(UI)に大幅な変更を加えた。これにより、仮想デスクの管理がしやすくなるという。
「Quick Answers」は、選択した文字列(単語)に関する情報を簡易表示する機能だ。選択した文字列を右クリックをすると利用できる。
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