Googleは2月17日(米国太平洋時間)、同社のイベント「Learning with Google」の開催に合わせて、教育機関向けに提供しているクラウドサービス「G Suite for Education」を「Google Workspace for Education」に改名することを発表した。合わせて、サービスの拡充予定も明らかとなった。
Google Workspace for Educationは、教育機関のニーズに合わせて4つのエディション(サービス体系)を提供する。新しく追加されるエディションについては4月中旬から利用できる。
Education Fundamentalsは、従来「G Suite for Education」と呼ばれていたサービスである。ライセンス料は無料で、主に以下のサービスを利用できる。
Education Standardは、Education Fundamentalsのセキュリティと遠隔管理機能を強化したものとなる。ライセンス料は1ユーザー当たり月額30円で、Education Fundamentalsの全機能に加えて、主に以下の機能を利用できる。
Teaching and Learning Upgradeは教職員向けの追加機能で、Education FundamentalsまたはEducation Standardの教職員用アカウントとひも付けて利用する。ライセンス料は1ユーザー当たり月額480円で、主に以下の機能を利用できる。
Education Plusは、従来「G Suite Enterprise for Education」と呼ばれていたサービスで、Google Workspace for Educationの最上位バージョンという位置付けだ。ライセンス料は1ユーザー当たり月額50円で、生徒用アカウント4つごとに教職員用アカウントが1つ無料で付帯する。このライセンスでは、Education Fundamentals/Standardの機能に加えて、主に以下の機能を利用できる。
従来のG Suite for Educationでは、クラウドストレージの容量を無制限(4人以下の組織の場合は1ユーザー当たり1TBまで)としていた。
ストレージリソースの公平利用の観点から、Google Workspace for Educationでは2022年1月(既存ユーザーは同年7月)から新しいストレージポリシーを適用する。具体的には、以下のようにストレージの利用条件が変更される。
既に使っている教育機関の管理者/代表者は、現時点において対応は必要ない。ポリシーの変更に先立って、Googleは2021年後半に新しいストレージ管理ツールを提供する。このツールを使えば、今後のストレージの使用方法と割り当て方法の検討を簡単に行えるという。
なお、アカウント数の多い教育機関、あるいは新ポリシーの適用によってストレージ面で影響を受ける教育機関については、Googleから無料の追加ストレージの提供を含めた対応策が提案される予定だ。
Google Workspace for Educationで利用できるツールについては、機能の追加や改善が随時行われている。今回の発表に合わせて、2021年内に予定されているツール類の機能追加/改善の内容の一部が公開された。
児童/生徒の学習指導と管理を行えるWebサービス「Google Classroom」では、2021年後半をめどに以下の機能追加/改善を予定している。
Student Engagement Trackingは、児童/生徒の学習状況を一括で把握するための教職員向けの新機能だ。学習が進んでいない、あるいは遅れている児童/生徒の状況を確認しやすくすることで、授業の進行を円滑化できるという。
モバイルアプリにおけるオフライン機能は、自宅にインターネット回線がない家庭、あるいはインターネット回線の遅い家庭に暮らす児童/生徒を想定した機能だ。学校で課題を一括ダウンロードし、帰宅後にオフラインで課題をこなし、翌登校日に学校で課題アップロード――といった使い方ができるようになる。
Web会議ツール「Google Meet」では、オンライン授業のモデレーターとなる教員が以下の操作を行えるようにする。
Google Workspace for Education自体はOSやデバイスの形態に依存せずに利用できる。ただ、Googleとしては教育機関に対して「Chromebook」の利用を推奨している。
Chromebookで使われている「Chrome OS」では、3月に公開予定の「M89アップデート」において「画面記録ツール」が追加される。その名の通り、このツールはChrome OSの画面を録画するために用いられる。児童/生徒がChromebookでの操作を録画しておき、それを授業などで共有する――という利用シーンを想定しているようだ。
Googleの担当者によると、画面記録ツールは日本の教育機関から搭載の要望が多かった機能の1つだという。
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