さて、懸案事項である反応速度について見ていこう。特定の家電製品のオン/オフの操作を行った際に、他のスマートリモコンと比べて、本製品の反応速度はどのぐらい違うだろうか。今回は他社製品も交えて実験を行ってみた。
用意したのは本製品と筆者が常用している「Nature Remo 3」、さらに「SwitchBot Hub Mini」の3製品だ。これらについて、照明のオン(またはオフ)を指示してから実際に照明が点灯(または消灯)するまでのタイムラグを、昼夜の2つの時間帯で計測してみた。いずれの実験もWi-Fi接続で行っている。
結論から言うと、Alexa/Google アシスタントいずれでも、ほぼ全て「Nature Remo 3>本製品>SwitchBot Hub Mini」という結果になった。具体的には以下の表の通りで、どんなケースでも2秒台で反応するNature Remoに比べ、本製品は反応がワンテンポ遅い傾向にある。ただしSwitchBot Hub Miniよりは速い。
このようにまとめると「本製品は中程度の性能」と受け取られるかもしれないが、従来モデルは今回の測定条件でいうと10秒近くかかっていたので、Nature Remoよりも「ちょい遅」レベルに改善されているのはむしろプラスだ。かつての遅さは完全に払拭(ふっしょく)されていると言っていい。
余談だが、3製品の中で最下位になったSwitchBotリモコンも、実用的に使えるレベルなので(ごくまれに極端に反応が遅い時はあるが)、本製品も含めてどれも普通にお勧めできるレベルだ。ここに登場していない一部製品のように、無応答になることがないだけマシであることを、ご理解いただきたい。
以上のように、反応速度の極端な遅さは改善されており、カスタムスキルなど機能自体は他社製品と比べても豊富なのだが、全体的にクセはかなり強い。特にアプリは、「家外設定」に代表される独自の用語が頻出するのに加え、よく使う機能とそうでない機能が同じ階層に並べられており、どこを開けば目的が達成できるのか迷いやすい。
こうした問題点は、他社製品と使い比べればすぐに分かることであり、それが長らく改められないのは、何らかのアンタッチャブルな要因があるのだろう。問題が発生しても自力で解決できるスキルを持ったユーザー向けの製品であり、初心者に安心してお勧めするには難があるというのが、筆者の感想だ。
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