最も華やかで最もモヤモヤする Apple M1搭載「iPad Pro」レビュー(5/5 ページ)

» 2021年06月24日 12時00分 公開
[refeiaITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5       

一般用途のまとめ

 次に一般用途として考えていきます。

 2021年のiPad Proは、華々しい仕様やベンチマーク結果に対して、実際に色んな用途で使ってみると2020年のモデルと驚くほど体験が変わっていないのも特徴です。実用/実感ベースでそうなのだから、仕方がありません。

 6月8日開催のWWDC21で発表されたiPadOS 15も、マルチタスキングの操作性は改善されるものの、できること自体は変わらず、PCのような真剣なマルチタスクには踏み込まず、M1チップの処理能力や大容量メモリを生かす新しい機能や仕様も訴求されませんでした。

 一方で、Macからシームレスに他の端末を操作したりデータの受け渡しをしたりするUniversal Controlなど、Macとの連携は大きく打ち出されました。iPadをMacのサブディスプレイ化するSidecarの頃からうっすらとありましたが、Macの周辺機器感というか、タブレットの立場をわきまえてね、というか……。

 iPad ProはApple製品のエコシステムの1要素として生かすべきもの、というメッセージが感じ取れます。これは、2017年の「すべてがもっとうまくできる。この一枚で」や「What’s a computer」以来、オールインワンの夢、コンピュータの再定義の夢を追ってきたユーザーにとっては、悪いニュースです。

12.9 iPad Pro この三枚で

 これでiPadがダメになっていくとは思いませんし、今後も便利になっていくでしょう。ガンガンにアクセルを踏んでいかないということは、陳腐化する心配をせず、安心して買いやすいという美点でもあります。以前書いた、11インチの256GBモデルは迷っている人に容易にお勧めできるという意見も、変わっていません。

 でも、夢を見た時期はあっても、今は少し大人になるべき時なのかな、と思っています。すこし寂しいですが。

12.9 iPad Pro そして、これが2021年のWi-Fi+Cellularモデルの写真(冒頭の写真は2020年版Wi-Fiモデルです)
前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  9. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  10. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー